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第17話:こんなものも・・・

Photo_20200609203501 前々回の「南国の踊り子」にしろ、前回の「縄文こけし」にしろ、相当に手間のかかる作品であり、新型こけしといっても一品製作の「創作こけし」のようなものであった。当然、売値もそれなりの額となりそれ程沢山売れる訳ではなかった。温泉地に来た観光客や湯治客がお土産として気軽に買える安価なこけしも店に並べる必要があった。量産が可能な旧型こけしも作ってみたが、売れ行きは芳しくない。人気の新型こけしで量産品を作る必要があった。形はシンプルで、風土性を持った、思い出に残るこけしを思いつくままに幾つか作って店の棚に並べてみた。

昭和34年、新型こけしが隆盛の中、白石で第1回全日本こけしコンクールが開催された。福寿が出品した新型こけしは「よそおい」が宮城県知事賞、「ヴィーナス」が産業経済新聞社賞、「南国の踊り子」が佳賞を受賞した。また、第6回全国こけし人形コンクールでは「みちのくの夢」が東京都知事賞(第2位)を受賞した。

 

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気軽に安価で買えるこけし達。中央が「みちのくの夢」。大きさは6寸。お土産こけしとして、ちょうど良い大きさである。左の2本は作り付け、右は頭と胴を接着してある(嵌め込みではない)。木地はシンプルな作りで、福寿にしてみればあっという間に挽いてしまっただろう。胴模様も、左は農作業着であろうか。中央はスケッチ風に描いた花模様。右は葉を一面に並べた着物である。

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頭と表情を見てみよう。左はおかっぱ、中は短髪を赤いリボンで結んでいる。右は伝統的な前髪と水引に近い。眉は薄墨、目は一筆目のように見えるが、薄墨の上から濃墨を眼点のように加えている。「南国の踊り子」や「縄文こけし」は二側目で、一本一本に訴えかけるような表情があったが、今回のこけし達は、ただただ静かに微笑んでいるだけである。

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