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第36話:ちょっと変化が・・・ (s37_38)

S3804 昭和30年代も後半に入ると、福寿は新型こけしも手掛けながら、旧型こけしにも力を入れ始める。昭和37年に次男が生まれてからは特にその傾向が強まり、特に勘治型に精力を集中していた。その影響を受けてか、普通型ではやや精彩を欠いたような感じのこけしになっている。この時期の特徴の1つは、肩の上面のロクロ線(これまでは、肩の丸い部分を覆っていた太い赤ロクロ線と肩の山の下部に引かれていた太い赤ロクロ線の間に細い赤ロクロ線が一本引かれていた)から、細い赤ロクロ線が無くなったことである。

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こちらのこけし、左の胴底には「38年4月 33才」の書き込みがある。大きさは左が7寸2分、右が6寸1分。これまで、福寿のこけしは6寸、8寸、1尺と大きさに関してはキリの良い値が多かったので珍しい。これまでと比べると頭が角張ってやや縦長になったのが影響しているのかも知れない。肩上面のロクロ線の変化は前述した通りであるが、面描では眉・目が水平で長いが眼点は小さくなっていてやや寂しげな表情にも見える。胴模様の正面菊の花弁はこれまではぼってりと豊潤に描かれていたが、この時期では花弁が長くなり、また各花弁が隣と離れて描かれているのであっさりした感じになっている。これまでの福寿・普通型とは雰囲気の異なるこけしとなっている。なお、右こけしの胴模様の楓が7筆描き(通常は5筆)となっており、これも他には類例が無く珍しい。

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肩上面のロクロ線である。丸肩部分と肩の山の部分の間に1本描かれていた細い赤ロクロ線が無くなっている。

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