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第40話:安定の40年代・・・ (s42_49)

S47 昭和40年代に入って、30年代のこけしから一皮むけて洗練されたこけしとなった普通型は安定期に入る。木地形態・描彩ともに標準様式が固まり、製作時期により個々の小さな変化は見られるものの、落ち着いた雰囲気の作行が続いていた。一方、この頃は第二次こけしブームが大きなうねりとなってこけし界を覆い、伝統こけしは作る傍から売れてしまうという異常な盛り上がりを見せている時期でもあった。老工や人気工人のこけしは自宅を訪れても全く手に入らないという凄まじさであった。国恵が福寿の店でこけしを選んでいる最中に、業者と思われる人が車でやってきて、棚に並んでいたこけしを全て買っていく場面に遭遇することもあった。

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昭和40年代の普通型を並べてみた。大きさは8寸。左から①42年10月、②44~45年頃、③47年3月、④48年5月、⑤49年頃である。①は40年代初めの胴の反りの少ない形態を引き継いだものであるが、眉目の位置が顔の真ん中あたりまで下がって眼点も大きく、幼子を思わせる可憐な表情になっている。②の40年代中頃からは胴中ほどの反りが大きくなってその分、肩の張りも大きくなった。眉・目の位置が上がり、また間隔も狭まって眼点も小さく、鋭く精悍な表情になった。③は現地の福寿の店で初めて買った思い出のこけし。気に入ってずーっと飾っていたため全面の胴模様がやや退色してしまった。眉目の湾曲が大きくなり眼点も大きく、明るくすっきりした良いこけしである。なお、36年に柿澤是隆が辞めたので、これ以降は福寿本人の木地である。④では眼点が小さくなり②と似た表情であるが、この時期は肩の山の盛り上がりが大きく特徴的な形態となっている。⑤では肩の山の異常な盛り上がりも修正されて標準的な形態となった。眼点が極小さくなり一筆目のように見えるが、眉・目のバランスも程よく優等生的な顔になっている。47年頃より赤の色は薄く橙色に近くなっている。

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