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第44話:平成になって (h2_h6)

H06 昭和40年代以降、民芸品等の一大ブームの中で、こけしも第二次こけしブームを迎え、民芸品全般のブームが下火になっても、こけしだけは大丈夫と言われて投資の目的でもこけしが流通していた。しかし、昭和から平成に時代が変わる中で、こけしにおいてもマンネリ感が漂っていた。そんな中で、高橋五郎氏が提唱した「新しい伝統こけし」は停滞気味のこけし界に一石を投じることとなり、福寿の関心もそちらに向いて行った。従来型のこけしも作っていたが、その数量は次第に少なくなっていった。「新しい伝統こけし展」が3回で終了した後は、ソニーファミリークラブによる頒布会が始まり、福寿はその製作に追われることになった。そして、ソニー頒布が始まってからは、普通型のこけしも見かけなくなってしまった。

H02_06 H02_06_20200818151801

こちらが手元にある平成時代の普通型こけしである。左から、①8寸(h2.10)、前年作(s63)と同様な作風であるが、頭が丸くなって頬下がすっきりした美人となった。面描では、鬢飾りが3筆となっているのが珍しく、これはs58以来である。胴模様では上部の横菊がやや小さくなり、葉の緑色が再び濃くなった。②8寸(h4.5)、木地は殆ど変わっていない。目は小さめとなったがやや上になって締まった凛々しい表情になっている。また、2筆の鬢はこれまでは上向きに描かれていたが、本作以降は横向きとなる。これは昭和30年代以来である。胴上部の横菊が一段と小さくなって「髙勘」の華やかさがやや薄くなってしまった。③尺(h6.7)、大寸のためか頭がやや大きめとなっている。目の描線は太いが位置が下がって、おとなしい表情になっている。


これ以降も福寿の店にはほぼ毎年通っていたが、ソニー頒布と新伝統こけしが殆どで普通型を目にすることはなかった。また、中古でもそれ以降の普通型は見たことがないので、殆ど作られなかったと思う。これをもって、福寿普通型の話は終了とし、次回はまた勘治型に戻って、昭和30年代末以降の変遷を見ていきたいと思う。

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