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第14夜:信雄さん訪問

Nobuo_naoji_s53kao またまた思い出話である。昭和53年正月の高島屋のこけし展では、遠刈田の我妻信雄さんも実演のために上京されていた。私は早速、描彩している信雄さんのところに行き、しばし流れるような手つきを眺める。出来上がった5寸ほどのこげすは木肌が黒ずんだ光沢を放っていた。聞いてみると材料は「イチイ」の木だと言う。飛騨高山の名産となっている「イチイ一刀彫」に使われる木材で、こけしに使われるのは非常に珍しい。早速1本を求め、ついでに遠刈田訪問の約束をする。

そして5月の連休を利用して信雄さんのお店を訪ねたのである。初めての遠刈田であった。信雄さんは高血圧の治療のため外出していたが、しばらくして戻って来られ、座敷に通してもらって色々とお話を伺った。その時の話の内容は良く覚えていないが、信雄さんの奥さんが、コンクールでの大臣賞を目指していると話していたのが印象に残っている。店の棚には見本として何本かのこけしとえじこが飾ってあったが、売り物のこけしは在庫がなかった。

Nobuo_8sun_ejiko_s53 後日作って送ってくれるとのことで、見本にあった散らし梅模様のこけしとえじこ、それに6寸の各種模様をお願いして店を後にした。遠刈田には他にもこけし工人は沢山いたし、私の好きな梅こけしを作る大沼昇治さんもいたが場所が離れていたためか訪問していない。この時は信雄さんだけで満足してしまったのである。結局その後、遠刈田を訪れたのは平成も10年代になってからで、信雄さんも昇治さんも既にこけし界からは姿を消してしまっていた。

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