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第5夜:本格的な蒐集開始

昭和46年9月に鹿間時夫氏監修による「こけし辞典」が発刊された。この本はこけしの百科事典のようなもので、こけしに関するあらゆる情報が載っており、私は手垢で紙面が黒くなるほど繰り返し繰り返し読んだものである。こうしてこけしに関する知識も増えてくると実物のこけしが欲しくてたまらなくなる。

ここに古い葉書が一枚ある。福寿の店からの返信で昭和46年12月の消印がある。確か福寿さんの本人型、勘治型、大正型の8寸を頼んだ時の返信葉書と思う。何々型と言える位、こけしの知識が増えていたと言えるだろう。返信の内容は原寸の勘治型が5本あるだけとの事。その時の私はこのこけしを注文していない。8寸という大きさに拘っていたのと、まだ勘治型にあまり興味がなかったためだろう。今思うと、この時の勘治型を購入しなかったのが何とも悔やまれる。後になって勘治型を本格的に集めだしたが昭和40年代中頃のものがなかなか見つからない。この時の勘治型は46年のものであり、私の勘治型コレクションの空白部分を埋める事ができたのである。

年が明けて昭和47年の正月、当時は正月の行事として各地のデパートでこけしの即売会が催されていた。私は新聞の新年催事の広告を頼りにしてデパートに出かけて行った。講入記録を見ると京王デパートと高島屋に出向き、計8本のこけしを買っている。内訳は柿崎文雄の蛸坊主を除いて、他の7本は全て鳴子系のこけしであった。当時、いかに鳴子系に傾倒していたのが分かる。

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