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第7夜:民芸品店廻り(1)

Tikara_sei_s47kao_1 3月の鳴子旅行で11本のこけしを入手したものの、この時点での収集本数は23本に過ぎず、こけしを手に入れたいという欲望はつのるばかりで、書物で知ったこけしを扱う民芸品店を訪ねる事になった。

4月に入り最初に行った店は渋谷にあった「べにや」である。当時のべにやは2階の半分位に沢山のこけしが置いてあった。この時には合計11本のこけしを買ったが全て鳴子系であり、如何に鳴子系に惹かれていたかが分かる。その後べにやには3年間に渡り何回か足を運んだが、店の改装とともにこけしの数が少なくなり、やがて行かなくなってしまった。

Tikara_sei_s47_1 次に訪ねたのが下井草にあった「おおき」である。その年の6月下旬であった。私はあまり人付き合いが好きなほうではないため、民芸品店の人達とも親しくなる事は少なかったが、おおきの親父さんとは馬があい、以来長いお付き合いをする事となった。鳴子のこけしに魅せられていた当時の私は「美と系譜」の鳴子系3に載っている高橋正吾、大沼秀雄、大沼力さんのこけしが気に入っていた。中でも力さんの誓型のこけしが欲しくてたまらなかった。「こけし辞典」の説明にある「黄胴に、肩の太い赤色ロクロ線は重厚な趣を示し、利右衛門系列の特色を伝えている。」という言葉が頭から離れなかった。12月に入り3回目のおおき訪問の時に思い切って「力さんの誓型はありませんか?」と尋ねると、親父さんは奥から一本のこけしを持ってきてくれた。写真のこけしがそれで、まさしく誓型のこけしであった。「美と系譜」の作とは若干異なっていたが、細身の黄胴に紫のロクロ線と赤2輪、紫1輪の三方菊の模様、高く盛り上がった肩には3本の赤いロクロ線が引かれており、私の望みをかなえるものであった。その日、私はこのこけしを抱えて満ち足りた気持ちで帰路に就いたのであった。

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コメント

おじいちゃんのお店の記事を見つけて嬉しく思います。

投稿: おおきの孫 | 2015年8月25日 (火) 23時51分

おおきの孫様
大木さんのお孫さんですか。コメントありがとうございました。当時は私も未だ20代で、下井草のお店にはよくお邪魔しました。私のこけし収集の原点でもあります。以来今まで、こけしとのお付き合いが続いています。懐かしい想い出になっています。

投稿: 国恵 | 2015年8月26日 (水) 09時09分

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