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第11夜:福寿さんとの出会い

Fukujyu_sakariko_s52kao 第11夜も福寿さんのことである。昭和52年5月5日、この日私は白石の「第19回全日本こけしコンクール」の会場で並んでいた。このところ毎年のように5月連休には鳴子を訪問していたが、昨年の訪問で福寿さんのこけしが一通り揃ったので、今回は前から行きたいと思っていたコンクールに出掛けてみたのである。開会の前から、審査作品を求めるための長蛇の行列が出来ていた。

Fukujyu_sakariko_s52 ようやく順番が来て案内の方と一緒に審査作品が並んだ2階の会場に向かう。端から順番に各工人の出品作を見ながら福寿さんの出品こけしの前に来た時、私の目は1本のこけしに釘付けとなってしまった。そこには私が知っている福寿さんのこけしとは全く作風の異なるこけしが立っていたのである。それまで福寿さんのこけしは全て丸肩と思い込んでいた私にとって、黄胴に角張った肩で赤いロクロ線を太くひき、横広がりの頭にややつりあがり気味の瞳を描いたそのこけしは実に新鮮に映り、そして強烈な印象を与えた。もう他のこけしは目に入らなくなってしまった。そしてそのまま鳴子へ向かうべく電車に飛び乗ったのである。

Fukujyu_sakariko_s52kata_1鳴子に着くと一目散に「福寿の店」に直行したが、福寿さんは外出中とのこと。応対してくれたおばあちゃ んと暫く話しをした後諦めて店を出ようとするところに幸運にも福寿さんが 戻って来られた。早速、コンクールの出品こけしを見て感激したやって来たことを話すと、「一緒に作ったこけしが2階にもう一本あるから」と言って同型のこけしを持ってきて見せてくれた。そして思いもよらず、そのこけし(写真のこけし)を譲ってくれたのである。こうして私は貴重なこけしを入手するとともに福寿さんと初めて面識を持つことが出来たのである。なお、後日この型の名前を聞くと「盛古型でいいんじゃないの」と言われたので、以後この型は私は「盛古型」と呼んでいるが一般的に認知された名称ではない。

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