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第13夜:大量の古品がネットに出品

Takezo_s15kao さて第13夜は話題を変えてオークションの話である。9月20日に締め切りを迎えたネットオークションに興奮を覚えたこけし愛好家は少なくなかっただろう。何しろ、非常に状態の良い戦前の古品が一挙に104点も出品されたのだから・・・。出品者は京都の和製アンティーク「モンク」という古物商、誰のコレクションかは定かでないが、文献等では知られていなかった作品群である。

保存状態が非常に良い、特に退色が殆どなく戦前の色彩がそのまま見られるのは嬉しい。それに制作工人がまた凄い。津軽系から土湯系までの主要な工人が勢揃いしているのである。津軽系は佐藤伊太郎、南部系は照井音治、藤井梅吉、木地山系は小椋米吉、鳴子系は高橋武蔵、大沼岩蔵、山形系は小林吉太郎、同吉兵衛、肘折系は佐藤文六、同丑蔵、蔵王系は岡崎栄作、同長次郎、荒井金七、作並系は平賀一家、遠刈田系は佐藤直助、同松之進、同静助、弥治郎系は小倉嘉三郎、佐藤今三郎、新山栄五郎、土湯系は阿部治助、同金一、佐久間由吉などなど。これだけ質の高いこけしが100本も纏めて出たのはネットオークション始まって以来のことである。

全ての入札が終了後に手元で集計をとってみた。104本全てに入札があり、その落札総額は7,494,550円であった。何と1本当たり7万2千円余りとなる。普通のこけしの落札額が数千円単位であることを考えれば何とも驚異的な額である。これだけの数なので落札額が下がることを予想したのだが大外れであった。私も参加したのであるが、確かに十万円を超える落札がポンポン出ると、1万、2万は安く感じてしまうのである。そんなことから普段なら当然止めてしまう額を超えて入札してしまう雰囲気が漂っていた。最高値落札は佐藤直助尺1寸で33万2千円、30万円以上はこの1本だけであったが、20万円以上は5本、10万円台は24本に上った。ちなみに最低値落札は6寸の新型っぽい系統不明のこけしで3、100円であった。1万円以下は、これを含めて7本に過ぎなかった。

Kohin_rakusatu_3hon 私の狙いは武蔵8寸(昭和1桁台)と尺2寸(昭和15年頃)、佐藤乗太郎3寸たちこ、佐藤正吉4寸こげす(中の沢時代)と5寸一側目の5本に絞っていた。予算は10万程。まず乗太郎が5万を超えて更に上昇、武蔵8寸も見る見る内に20万を超えたので最終日を待たずに共に断念。締め切り当日に残りの3本に挑戦した。先ず正吉4寸を落札、次いで正吉5寸も落札。残る武蔵尺2寸は1万円台で動かないまま締め切り時間が迫ってきた。結局これも落札。3本合計で、何とか予算内に収まった。一番欲しかった武蔵8寸は予想を遙かに超えた落札値で取れなかったが、予算的にはまあまあの成果であった。

9月22日、入金を済ませた落札こけしが早々と届いた。早速、記念写真に撮る。小寸の正吉2本はなかなかに鋭い表 情。色落ちも無く、保存状態はとても良い。寸法以上の存在Syokiti_kohin2hon_1 感を感じさせるこけしである。そして武蔵尺2寸。こちらも木地のシミが出ているが彩色は描きたてのように残っている。白胴に菱菊模様、大寸のためか胴下部の表面菊の両脇に小花が添えられている。そして更に良く見ると、横菊と表面菊の花芯には黄色が塗られているのが分かる。最も退色が早い黄色がはっきり残っているほどの保存の良さである。

あくる23日、早速鳴子の高橋正吾さんに電話をかけ、写しの作成を依頼する。花芯の黄色は黄胴から白胴への過渡期の作に見られると言う。写しは白胴と黄胴の2本をお願いした。出来上がりが楽しみである。なお、正吉2本も遠刈田の佐藤勝洋さんに復元をお願いするつもり。出来の良い古品の写しを作って貰うのもこけし収集の大きな楽しみである。

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