
昭和47年も押し詰まった12月30日、久しぶりに訪れた「べにや民芸店」で、私の目は信雄さんと昇治さんのこけしに引きつけられた。今まであまりまともに見たことはなかったが、よく見てみるとなかなか良い。私はいつしか遠刈田こけしに新しい魅力を感じていた。我妻信雄さんは周治郎系列で佐藤守正さんの弟子、小原直治のこけしを目指している。一方の大沼昇治さんは吉郎平系列で佐藤治郎さんの弟子、佐藤円吉のこけしを継いでいた。共に昭和7年生まれで、弟子筋ではあったが将来の遠刈田系こけしを担う意欲が感じられた。以来、遠刈田系ではこの両人のこけしが私の蒐集の中心となっていった。
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