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第12夜:福寿さんとの付き合い

Fukujyu_konarugo_s53kao 前夜の続きである。翌53年正月、福寿さんは東京高島屋デパートの新春こけし展に実演のため上京し、私は再び話しをする機会を得た。実演中で客も多く長い話は出来なかったが、福寿さんは私のことを思い出してくれたようである。そこでは盛古型のねまりこを買い、後日古鳴子型のこけしを求めた。

Fukujyu_konarugo_nemari_s53 そしてまた5月の連休には鳴子を訪れ、今度は一端の収集家の一人として色々とお話を聞き、こけしも譲ってもらった。以来福寿さんのところにはしばしばお邪魔をしてこけしを頒けてもらっている。当時のエピソードとしてこんな話がある。昭和50年代はこけしブームの最盛期であり、バブルの最中でこけしを投資の目的にするような人々も出てきていた。そのため人気のある工人の作品はなかなか手に入れられなくなってしまい、また価格も上がっていった。ある時私が「福寿の店」の陳列棚に並んでいる福寿さんのこけしを眺めていると、後から入ってきた客が「この棚のこけしを全部下さい」と言ったのである。そのようなことがあるという話は噂には聞いていたが、まさか実際にその場に遭遇するとは夢にも思わなかった。私は慌てて気に入った何本かのこけしを先に包んでもらって事無きを得たのである。福寿さんは1人何本というような制限はつけていなかったので、買う気になればこのように全部のこけしを買うこともできたのである。今思うと実に異常な時代であった。それにしてもあの時まとめて買われていったこけし達はその後どうなったのであろうか。気になるところではある。

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