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2007年3月

第34夜:子持ちえじこ(1)

Sasamori_ejiko_s_kao 前夜は阿保六知秀さんの幸兵衛型の話をしたが、幸兵衛型は好きなこけしなので現地に行った時には工人さんにお願いして作って貰っている。平成15年の7月に弘前を訪ねた時にも笹森淳一さんには幸兵衛型を各種作って頂いた。笹森さんの幸兵衛型は実に上手い。上手さでは一番であろう。その折、幸兵衛型の子持ちえじこを作って貰えないかと頼んだところ、作って頂けることになった。

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第33夜:実演2題(2)

Abo_kagami_kao_1 阿保さんは昨年末から今年にかけて製作した各種のこけしや木地製品を持参されていた。「雛こけし」にも力を入れており、今では屏風は奥さんや娘さんが作り、工人デビューした息子の正文さんも参加して一家総出で製作しているそうである。戦前のこけし製作を思い起こさせるようで微笑ましい。更に最近は5月人形の依頼もあるそうで、阿保さんは武者こけしも作っているが、こけし本体よりも脇役で飾る鯉のぼりの方が難しいと話していた。雛こけし、武者こけしに限らず、現在の工人さんにはそのような創意工夫による新しい木地玩具への挑戦も求められるのであろう。

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第32夜:実演2題(1)

Yoshinobu_akita_sakari_kao こけしシーズンの幕開けを告げるかのように東京近郊でこけしの実演が2件あり出かけてみた。今夜はその話をしよう。1件は千葉そごうで開催された「宮城県の物産と観光展」で実演は鳴子系の柿澤是伸さん、もう1件は吉祥寺伊勢丹で開催中の「青森県の物産と観光展」で実演は津軽系の阿保六知秀さん。そごうには23日(金)の夕刻、伊勢丹には作28日(水)の夕刻に訪れた。お二人とも既に馴染みの工人であり、1時間ほどこけし談義に花を咲かせた。

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第31夜:佐志馬のこけし(2)

Sashima_s30dai_kao_1今夜は もう1本、佐志馬さんのこけしを取り上げてみたい。こちらは東京こけし友の会の入札で入手したもの。昭和30年代の作と思われる。頭が小さくで胴が太い、ちょっと変わった木地形態とコケティッシュな表情に惹かれて応札したものである。

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第30夜:佐志馬のこけし

Sashima_s20dai_kao_1 私がこけしの収集を始めた昭和40年代の後半、こけしブームの最中でもあり佐藤佐志馬さんは阿部広史さんと共に土湯系の長老として絶大な人気を集めていた。ただ私にとっては、縦長の頭で表情に乏しい佐志馬こけしは魅力的なものではなく、参考のために1本あれば十分という程度の認識であった。そんな私の佐志馬こけしに対する見方を一変させてくれたこけしが今夜の主役である。

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第29夜:護のこけし(戦前)

Kozo_senzen_kao_2 第29夜は佐藤護さんの戦前のこけしを取り上げる。戦前作は昭和15年の復活期の作から知られている。この15年の作は角頭で眉目は湾曲が少なく切れ長で眼点が小さいために、「破調の美」とも言えるほどに鋭い表情のこけしである。やがて16年になると頭は卵形に丸くなり、眉目も湾曲が出てきてユーモラスでややグロテスク気味なこけしへと変貌していく。

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第28夜:護のこけし(直助型)

Mamoru_naosuke_kao_1 護さんのこけしで最も人気があるのは、「直助型」であろう。今夜はその「直助型」を見てみよう。かく言う私も、「良いこけしだなあ」と思って初めて入手したのは、この写真の直助型であった。2年程続いた護さんのピーク期のこけしも60才を過ぎると下降線をたどり始める。その護こけしが再び脚光を浴びるのが、この直助型であった。直助の孫、佐藤英太郎さんが木地業を継ぐべく遠刈田に帰郷して護さんの弟子になったのは昭和32年、英太郎さんの作り出す直助型こけしは直助の再来とばかりに賞賛を受けた。そんな世の中の風潮がさせたのか、あるいは愛好家の働きかけによるものであったのかは私には分からない。いずれにせよ護さんの胸中は複雑だったに違いない。

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第27夜:護のこけし(ピーク期)

Mamoru_60sai_kao_1 こけしを鑑賞する上で、表情が占める割合は大きい。表情には千差万別あるが、一番多いのはやはり笑顔であろう。こけしの微笑みを見ることで癒されることは多い。微笑みにも色々あるのは、「弘道の微笑み」の項でも述べた通りである。今夜は佐藤護さんを取り上げてみた。護さんのこけしは収集を始めた初期(昭和40年代末)に当時の老工のこけしとして1本入手していたが、特に興味があった訳ではなかった。昭和50年代末から60年代にかけて、護さんの三男である勝洋さんのこけしに魅力を感じて色々集めている中で、護さんのこけしにも関心が出てきたのである。そして護さんの事を文献等で調べ、またこけしも入手することによって、益々興味が深まるとともにその魅力に惹かれていったのである。

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第26夜:紀元2600年のこけし

Takezo_2600_kao_4 第26夜は今年の正月の「ひやね」入札会で入手した高亀系のこけしの話である。このこけしを鳴子の高橋正吾さんに送っ て、こけしの鑑定と写しの製作をお願いしていたが、9日(金)に待望のこけしが届いた。 「ひやね」で落札したこけしは胴裏に「東京こけし会、第一回現地の集い、2006 7.27」などと書かれた焼き印が押されている。こけし辞典によれば、「東京こけし会」は昭和15年(紀元2600年)の3月から10月にかけて、尺こけしの頒布を行っている。その一環として同年の7月27日に鳴子にて「現地の集い」を開催し、その時に頒布されたのが今回のこけしではないかと推測される。

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第25夜:小寸こけしの魅力(1)

今夜から新しい話題を始めよう。小寸こけしである。小寸こけしの定義は明確ではないが概ね4寸くらいより小さいこけしは小寸こけしの範疇に入るだろう。この小寸こけしは大きく2種類に分けられるのではないかと思う。1つは定寸のこけしをそのまま縮小したもの。所謂ミニチュアである。もう1つは定寸ものとは別に小寸として作られたもの。後者は形態的にも描彩的にも系統によって独特の様式があり、これはこれで楽しいものである。一方前者は、ものによっては単に縮小しただけでは様にならないものもあり、全ての定寸こけしが小寸こけしとして成り立つものでもないだろう。

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