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第28夜:護のこけし(直助型)

Mamoru_naosuke_kao_1 護さんのこけしで最も人気があるのは、「直助型」であろう。今夜はその「直助型」を見てみよう。かく言う私も、「良いこけしだなあ」と思って初めて入手したのは、この写真の直助型であった。2年程続いた護さんのピーク期のこけしも60才を過ぎると下降線をたどり始める。その護こけしが再び脚光を浴びるのが、この直助型であった。直助の孫、佐藤英太郎さんが木地業を継ぐべく遠刈田に帰郷して護さんの弟子になったのは昭和32年、英太郎さんの作り出す直助型こけしは直助の再来とばかりに賞賛を受けた。そんな世の中の風潮がさせたのか、あるいは愛好家の働きかけによるものであったのかは私には分からない。いずれにせよ護さんの胸中は複雑だったに違いない。

Mamoru_naosuke 護さんの直助型は、自身の型と比べて、頭はかなり大きく丸みを帯びている。前髪や横鬢と放射状の赤いカセ、また胴模様の桜崩しなど、直助こけしの特徴を備えている。そして見所はやはり表情であろう。直助こけしの表情の特徴は、その微笑みに情感が籠もっていることだと思う。単に素直な微笑みなのではなく、そこには内在するものがあり、何か訴えかけるものがある。その情味こそが直助こけしの魅力なのであろう。護さんの直助型では、面描では筆の勢いをやや押さえ気味に描いているのではないかと思う。上下の瞼の間隔は本人型より開いていて眼点も小さく、白目の部分が多い。そのために訴えかけるような情感が加味されて、直助風の微笑みを持ったこけしとなっている。今までの護こけしとは別格の情味を持ったこけしに仕上がっているのは流石と言う他はない。このこけしを見ていると、確かに護こけしの代表作に挙げたくなってしまう。この直助型の署名は、「直助型 護作」となっており、本人型のこけしのように年齢は書かれていない。そしてこの直助型は1年ほどで作られなくなってしまう。

Mamoru_hikaku_naosuke_1 ピーク期の本人型(右)と直助型(左)を並べてみた。いずれ劣らぬ、甲乙付けがたい秀作である。戦後の護こけしの代表作を挙げるなら、この2本で十分かも知れない。それほどに完成度の高いこけしである。

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コメント

初めまして。その道の会にも入らずトコトコと都内のこけし店・各県の郷土玩具展示館等に出没しております貧乏コレクターでございます。実は私、護さんの「直助型」の現物は未だかつてたったの3本しか見ておりません(!?!取り敢えず私「二十年選手」なんですが…)こけし初心者の頃、地元の古道具店?で1番初めに見た物は凄く安かったのですが寸法が少し大きくて?買わなかった記憶があります。2本目は確か同好者の私物。以来ずっと見かけることなく何年も過ぎ、つい先日(9月1日)どんなこけしだったかもう一度見てみたい!と行きつけの店でご主人に話してましたら…あったのですね。25cmの現物が。全体が醸し出す雰囲気は「愛こけし・改訂版」(植木昭夫著)のP47・左の昭和7年の直助によく似ています。眼の弧が直助よりも少し強くて、にっこり微笑んだ、という感じの表情です。見ていると心がほっこり暖かくなるこけしです。勿論、即買いしましたよ。

投稿: ガレクター横浜 | 2007年9月 3日 (月) 11時01分

護さんの直助型が手に入って良かったですね。同じ直助型でも目の描き方で雰囲気の違うものがあるようなので、自分の気に入ったものを選べば良いですね。今も1本、ヤフオクに出ていますが私のとは少し違うようです。護さんの本人型(58歳~60歳)にも素晴らしい出来のものがありますから、ぜひ目に留めてみて下さい。

投稿: 筆者 | 2007年9月 5日 (水) 16時58分

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