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第31夜:佐志馬のこけし(2)

Sashima_s30dai_kao_1今夜は もう1本、佐志馬さんのこけしを取り上げてみたい。こちらは東京こけし友の会の入札で入手したもの。昭和30年代の作と思われる。頭が小さくで胴が太い、ちょっと変わった木地形態とコケティッシュな表情に惹かれて応札したものである。

このこけし、良く観察すると前回のこけしと同じ様式なのが見て取れる。しかし受ける印象はかなり異なる。頭は他の多くの佐志馬こけしと同様に縦に長いが、顔の造作の殆どは下半分にこじんまりと収まっている。眉の太さも均一で細い線描きの瞼も単調になり、瞳も上下の瞼内に収まっている。ただ横鬢は短くなったが勢いがあり、その間から覗く視線は上目遣いにこちらを凝視している。その瞳にはまだ人を引きつける力が残っているようだ。胴は太めで、頭が小さいために首の部分が細くなって、ちょっとトックリを思わせる形態である。胴のロクロ模様は、中央を3本の紫帯で締めるのは同じであるが、最下部の黒ロクロ帯の上に紫帯が1本追加された。上半身も紫の細線の束の下に赤の細線の束が入っている。

Sashima_s30dai_hikaku_1  このこけしも近野さんに写しを作って貰った。作り初めのためか3本作って貰ったが出来に差がある。最も雰囲気の近いものを「原」と並べて写真に撮った。胴が短めであるが木地形態は近い雰囲気である。それに比べると表情はいま一つである。このこけしの特徴であり見所でもある「ちまちまとした下目」になっていないのである。写しを作って貰う時によく聞く話であるが、普段作っているこけしの描彩(特に面描)を大きく変えるのは、なかなか難しいそうである。

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