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第38夜:つどいの頒布(2)

Kenichi_asagao_tokui_kao 今夜も「つどい」の話を続けよう。北山賢一さんは如何にも木地山系と言った素朴で可憐なこけしを作っていたが、そのこけしが一変する時期があった。平成4年1月下旬、「つどい」で目にした賢一さんのこけしに私は思わず言葉を失った。それは今までの賢一さんのこけしとは異質なものであったからである。「つどい」のご主人の言によれば、遠刈田の佐藤英太郎さんの提唱する新しい伝統こけしの創造に共鳴し、その主催するグループ(「伝統創造研修塾」)の考え方に沿って作ったこけしということであった。

Kenichi_asagao_3henka それまでにも作っていた小椋米吉型の朝顔こけし(らっこコレクション)を引き合いにして、その前後の時期を含めて、その新創造こけしを紹介する。写真中央のこけしがそれである。右は平成3年11月作で、眼点が上瞼寄りの気品と鋭さを持った代表作である。新作では表情が一変してしまった。眉は大きく勢いがあり、二重瞼も大きく目尻がつり上がりきみとなって、眼点は目の中央に横から筆を入れて筆勢がある。しかし、そこから受ける印象は鋭さを通り越して、狂気すら感じてしまう。とても心穏やかに眺められるこけしではない。佐藤周助の三白眼や岩本善吉の四白眼など極限まで突き詰めたような表情のこけしも確かに存在するが、木地山系のこけしとしてはどうなのであろうか? 

Etaro_tokusyu_sanko たまたまヤフオクを見ていたら、同時期の佐藤英太郎さんの木地人形が出品されていた。この木地人形の目も目尻がつり上がっており、眼点も横から打ち込んでいる。賢一さんの新作と相通じるものが感じられるので借用した。賢一さんのこの表情のこけしは長くは続かなかったようだ。左は同年11月の同型のこけし。右のこけしに戻りつつあるのが伺われる。結局、このグループでの新作こけしの創造は頭打ちとなり、ほぽ1年くらいで解散してしまったらしい。

Kenichi_tokubetu3syu なお、この活動の期間中、一部のこけしはそのグループの専売品となってしまい、一般の頒布・販売を制限されてしまった。賢一さんのこけしでは写真の3本がその対象であった。いずれも完成度の高い好評のこけしであった。その後、このこけしがあまり見かけられなくなったのは残念なことである。写真の3本はいずれも平成3年作。

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