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2007年5月

第66夜:30年代のこけし(1)

Satoshi_s34_kao 江戸時代から作られ始めたと言われる「こけし」の歴史の中で、昭和30年代は1つの転機だったのだと思う。30年代のこけしと40年代以降のこけしを比べて見ると、そこには歴然とした違いが見られるのである。一言で言えば、それはこけしの「近代化」ということになるのであろう。30年代までのこけしにはまだまだ山村の郷愁を感じさせるもの、土の香りを漂わせた泥臭さが色濃く残っていたが、40年代以降になると洗練されたスマートなイメージに変わってくる。それはそのまま戦後日本の高度成長と重なるものでもある。今夜は、そんな30年代のこけしと40年代以降のこけしとの違いを同一工人の作で比べてみようと思う。

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第65夜:護のこけし(異色作)

Mamoru_56sai_kao 昨夜は友の会の入札で入手した正吉のこけしの話をしたが、今夜はその兄の護のこけしを取り上げてみたい。護こけしは私の好きなこけしであるので、今までに「戦前」「ピーク期」「直助型」を取り上げているが、その他にも魅力のあるこけしは多い。そんな中から、今夜は護さんにしては「異色」のこけしを取り上げてみたい。

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第64夜:友の会の入札

Syokiti_200705_kao ここ数日掲載をご無沙汰してしまった。毎日書き続けるのはやはり大変である。さて、このブログの目的の1つは、こけしとこけしに関する事柄をリアルタイムで紹介することであるので、私が参加したこけし関連の行事についても記して行きたい。作日(27日)は東京こけし友の会の5月例会があった。例会のお楽しみの1つに入札会がある。今夜は5月例会に出品された主要な入札品を紹介しよう。

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第63夜:縮写こけしのこと

Syukusya_takeo_kao_2 今、ヤフオクに「縮写こけし」が出品されている。「縮写こけし」は戦前に作られたコピーこけしであるが、当時はその目的が明確であり一定の役割を持って頒布されたこけしであった。しかし年月の経過ともにその経緯は忘れられ、真作として市場に出され高値で落札されるケースもあるようだ。今夜は私も知らずに入手した「縮写こけし」について話してみたい。

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第62夜:「美と系譜」のこけし(5)

Zenji_kobei_s40_kao 昨夜は「こけし・美と系譜」に掲載されている佐藤善二さんの幸兵衛写しのこけし(8寸)について見てみたが、今夜はもう1本の幸兵衛写し(6寸)の方を見てみたい。このこけしも写しとして紹介されているので何らかの「原」があるものと思われるが、私には残念ながら未だ特定出来ていない。幸兵衛型の秀作であることは間違いない。

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第61夜:「美と系譜」のこけし(4)

Zenji_kobei_s37_kao 「こけし・美と系譜」には『原作と写し』という項目が幾つかあり、発行当時の現存工人による『写し』のこけしが掲載されている。津軽系の佐藤善二さんはそのトップバッターとして、『(98)原作と写し1』に2本のこけしが紹介されている。今夜は、その善二さんによる幸兵衛型写しの大きい方(8寸)を見てみよう。

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第60夜:子持ちえじこ(6)

Ikuo_ejiko_kao 第60夜は蔵王系、岡崎幾雄さんの子持ち特大えじこを取り上げてみよう。私がこけしの蒐集を始めた昭和40年代から50年代にかけて、幾雄さんのこけし(特に定評のある栄治郎型)は入手難のこけしとして有名であった。そんな幾雄さんも平成になって多少余裕が出来てきたのか、こけし以外の木地玩具も作るようになった。

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第59夜:「美と系譜」のこけし(3)

Syoji_eikiti_s35_kao_1 「こけし・美と系譜」の『(104)原作と写し7』に掲載された桜井昭二さんの庄司永吉型も心を奪われたこけしの一つであった。私が蒐集を始めた昭和40年代の後半の時点でも昭二さんは永吉型を作っていたが、「美と系譜」のものとはかなり作風が変わってしまっており、私の入手欲を満たすものではなかった。今夜は昭二さんの永吉型初期作について話をする。

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第58夜:子持ちえじこ(5)

Mayumi_komoti_ejiko_kao 吉紀さんの子持ちえじこが手に入ると、真由美さんの子持ちえじこも見てみたくなる。そこで真由美さんにも吉紀さんと同じ物をお願いしてみた。作ってくれるとの了解を得たものの、私が現地に行けないこともあってなかなか出来上がらない。ようやく出来てきたのは3年後の平成16年の6月になってからであった。今夜はその真由美さんの子持ちえじこである。

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第57夜:子持ちえじこ(4)

Yoshinori_komoti_ejiko_kao 東京こけし友の会では、毎年の新年例会には、各地の工人から寄贈されたこけしを福引きの景品として例会出席者に提供してきた。平成13の新年例会では弥治郎の新山吉紀さんの子持ち大えじこが福引き品の中にあった。残念ながら私には当たらなかったが印象に残る作品であった。今夜は吉紀さんの子持ちえじこの話をしよう。

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第56夜:「美と系譜」のこけし(2)

Hideo_s33_kao 「こけし・美と系譜」を購入してこけし蒐集にのめり込み始めた頃、私の欲しかったこけしは鳴子系が中心で、中でも「美と系譜」の鳴子系プレートに掲載されていた大沼力、大沼秀雄、高橋正吾の3名の作品であった。大沼力さんのこけしについては第49夜で述べた。今夜はもう一人の工人、大沼秀雄さんのこけしに触れてみたい。

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第55夜:初期作の味わい(6)

Kinzo_umekiti_syoki_kao 第53夜で5/9に落札した高橋金三のこけしは梅吉型の初期作と思われると書いたことでもあり、今まで南部系のこけしは取り上げていなかったので、今夜は金三さんの梅吉型の初期作を見てみたいと思う。金三さんの梅吉型初期作については「こけし手帖133号」に箕輪新一氏が一文を寄せて紹介している。

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第54夜:戦後直ぐの盛こけし

Sakari_sengosugu_kao 5/8に太治郎こけしと一緒にヤフオクで落札した盛作と思しきこけしが届いた。鳴子の高橋盛のこけしは戦前鳴子時代(前期鳴子)、秋田時代、戦後鳴子時代(後期鳴子)と大きく3つに分かれるが、今回のこけしは戦後直ぐ(20年代前半)の作と考えて入札した。今夜は戦後直ぐの盛こけしを考えてみたい。

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第53夜:入札の楽しみ方

Fukujyu_kanji_s30mae_kao ここ数日、ヤフオク(ヤフーのネットオークション)に正末昭初の保存の良いこけしが数点出品されて入札の熱い戦いが繰り広げられていた。幸か不幸か私が特に力を入れているこけしではなかったため、対岸の火事で眺めていた。その陰でひっそりと2本のこけしを安価に落札した。今夜はそのこけしとこけし入札の話である。

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第52夜:弘道と太治郎

Hiromichi_s61_kao_1 昨日帰宅すると5/6に落札した太治郎こけしが早くも届いていた。大きさ6寸5分だがずっしりと重い。前に尺3寸の太治郎を手にした時(第21夜)の軽さと比べると対照的だ。眉間の打ち傷と爽やかな微笑みが印象的である。さて、今夜はこの太治郎こけしをお手本にしたような弘道さんのこけしを取り上げてみよう。

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第51夜:小寸こけしの魅力(2)

Kenichi_kyushiro_kao今年のこけし3大コンクールの幕開けである「全日本こけしコンクール」が終了した。第1部の伝統こけしが最高賞である内閣総理大臣賞を取れなかったのは何年振りであろうか? これが何を意味するものなのかは真剣に考えてみる必要があるのかも知れない。さて、今夜は北山賢一さんの久四郎型の小こけしとえじこを取り上げてみた。

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第50夜:5/6のヤフオク

Tajiro_s1keta_kao 第50夜は昨夜のヤフオクの話である。作5月6日はネットオークション(ヤフオク)で何本かの古品が締切日を迎えていた。私の興味があるこけしも出品されており、ゴールデンウィークの最終日にエキサイティングな夜を迎えることとなった。気にかけていたこけしは小林吉太郎、佐藤正吉、斎藤太治郎、高橋盛の4本、盛以外は戦前の古品である。

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第49夜:「美と系譜」のこけし(1)

Tikara_sei_s41kao_1 最近大阪こけし教室の50周年記念で復刻された「教室だより(第31号)」に「こけし・美と系譜」雑感が載っていた。この「美と系譜」はこけしのカラー写真が多く、掲載こけしの質が高いことから、初心者から研究家までに愛読されている名著である。掲載こけし総数632本で、その多くは古品と呼ばれる貴重なものであるが、現存工人の作も約150を載せており、それらは現在でも中古市場などで入手可能である。その中から今夜は鳴子系の大沼力さんのこけしを取り上げてみたい。

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第48夜:初期作の味わい(5)

Eihiro_18sai_kao_2 英裕さんの初期作は15才作が「こけし美と系譜」「こけし辞典」に、また17才作が「こけし辞典」に載っている程度で、文献での紹介もあまり見かけない。英裕さんがこけし作りを始めた頃はこけしブームになりつつあった頃で、しかも名人丑蔵の孫ということもあって、作るこけしは直ぐに捌けてしまうような状況であった。蒐集家・愛好家の注目度も高く、その分所謂「外野の雑音」も多かったようだ。そんなことが若い英裕さんが一時的にしろ、こけし作りに嫌気が差した原因だったのであろう。

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