« 第47夜:初期作の味わい(4) | トップページ | 第49夜:「美と系譜」のこけし(1) »
英裕さんの初期作は15才作が「こけし美と系譜」「こけし辞典」に、また17才作が「こけし辞典」に載っている程度で、文献での紹介もあまり見かけない。英裕さんがこけし作りを始めた頃はこけしブームになりつつあった頃で、しかも名人丑蔵の孫ということもあって、作るこけしは直ぐに捌けてしまうような状況であった。蒐集家・愛好家の注目度も高く、その分所謂「外野の雑音」も多かったようだ。そんなことが若い英裕さんが一時的にしろ、こけし作りに嫌気が差した原因だったのであろう。
写真が18才作である。前回の17才作と比べて、頭は縦と横が同じくらいの正方形となり、肩の丸みがやや大きく(撫で肩気味)なっている。面描、頭頂部の手絡、横鬢など全体的に筆致は太くなり手慣れた感じを受ける。両目も整った三日月目となりアンバランスな稚拙さは見られなくなった。その分、初期作としての魅力も薄れてきているが、やや上方を見つめた視線に甘さは感じられない。
2007年5月 3日 (木) 遠刈田系 | 固定リンク Tweet
名前:
メールアドレス: (ウェブ上には掲載しません)
アドレス(URL):
この情報を登録する
内容:
この記事へのトラックバック一覧です: 第48夜:初期作の味わい(5):
コメント