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第52夜:弘道と太治郎

Hiromichi_s61_kao_1 昨日帰宅すると5/6に落札した太治郎こけしが早くも届いていた。大きさ6寸5分だがずっしりと重い。前に尺3寸の太治郎を手にした時(第21夜)の軽さと比べると対照的だ。眉間の打ち傷と爽やかな微笑みが印象的である。さて、今夜はこの太治郎こけしをお手本にしたような弘道さんのこけしを取り上げてみよう。

Tajiro_s9_1 斎藤弘道さんのこけしについては、私のこけし蒐集のきっかけとなったことから今まで「弘道の微笑み」で何回かとり挙げてきた。太治郎型一筋に精進していた弘道さんのこけしが太治郎から離れて自身の型(?)に変わって行くのは昭和51年頃から。それ以降の弘道こけしは私なりに合点が行かず入手することも殆どなくなってしまった。昭和61年9月の東京こけし友の会の例会に弘道さんのこけしが出ていた。ここ数年の弘道こけしと比べるとちょっと違う。表情に往年の太治郎型を思わせるものがあり、久しぶりに購入した。だが胴の形が直線的で硬い。まあ現状ではこのくらいは仕方がないのかなと思って手元に置いていた。今回、太治郎のこけしがヤフオクに出品されて改めてそのこけしを見てみると、形態が61年の弘道に何となく似ているではないか。胴の先端(頭との接続部分)は殆ど丸みが無く、突っ込みのような感じで頭に繋がっている。その胴頂からほぼ直線的にやや広がりながら下がってきて、胴裾にかけてかすかにすぼまっている。弘道こけしはこの形態の胴裾部分をやや誇張したような形である。そして決定的なのが首下の赤ロクロ線。紫の波線の入った所謂太治郎本型では、首下の赤ロクロ線は通常2本であるが、この6寸5分の太治郎、6寸の弘道ともに1本のみである。

Hiromichi_s61_2hon_1 この弘道こけしは、弘道さん自身の考えで作ったのか、あるいは誰かの依頼で作ったのかは分からないが、その当時に作っていた弘道こけしとは一線を画するものであった。しかしこれが長続きすることはなく、またいつもの弘道こけしに戻ってしまうのである。後日同型の弘道こけしを入手した。こちらは眼が小さい。友の会で入手したものは昭和33年頃を想定した顔で、後日入手したものは42年頃を想定したものではないかと勝手に想像している。しかし「弘道の微笑み」で見てきた作品との違いはあまりにも大きく、その再現は難しいようだ。

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コメント

現在の弘道作も蛇の目をほんの少し下に太くしてくれれば顔のバランスが昔の物に近くなると思うのですが・・・言っても「そんな事やりたくない」と言われちゃいますかね?

投稿: しょうじ | 2007年5月14日 (月) 14時55分

しょうじ様
お久し振りです。もう弘道さんも老工だし、あれこれ言うのも気が引けますよね。しょうじさんのような若い方が言うのなら良いかも知れませんが・・・。「弘道さん、こんなこけしを作りましたよ」なんてこと、しょうじさんから聞けたら嬉しいですけどね・・・。

投稿: 筆者 | 2007年5月14日 (月) 22時12分

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