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第72夜:「美と系譜」のこけし(8)

Keimi_kota_s36_kao 今夜も「系譜」の幸太型の話を続ける。新山慶美の幸太型である。特に「系譜」掲載のこけしを探していた訳ではないが、幸太型は意識して集めていたこけしなので、その一環として入手したものである。「系譜」の幸太型と同時期であると知ったのは、入手後に胴底の日付の書き込みを見てからのことである。慶美さんの昭和30年代の幸太型は殆ど見かけないので、この時期に作っただけかも知れない。

Keimi_kota_s36 「系譜」掲載のこけしは昭和36年11月作とある。一方、本稿掲載のこけしは胴底に「1961-11-12」との書き込みがある。従って、「系譜」手と全く同時期に作られたものと考えられる。「系譜」の写真はモノクロのため帯状のロクロ線の配色も定かではないが、本稿の写真で、それが赤、緑、紫、黄色の4色を使った華麗なものであることが分かるだろう。頭頂部の丸い飾りや頬紅も大きく鮮やかである。「原」は一側目であるが、本稿作は下瞼が下に膨れた二側目である。父慶治が戦前(昭和15年)に作った幸太型が「こけしの美」に載っているが、それは同じ二側目となっている。慶治のこけしは二側目が普通であり、幸太型でもそれを描いたのであろう。また慶美の幸太型は肩の部分が面取りのように丸く削ってあり、春二の幸太型との違いを見せる。胴上部には襟、胴下部には裾を描いており、幸太のロクロ模様に慶治の模様を付加したような華やかな様式である。

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