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第67夜:福寿の初期作(1)

Fukujyu_s26_kao 今夜は鳴子系、遊佐福寿さんの初期作を探ってみよう。福寿さんは昭和20年に秋田県の由利木工所で木地修業を始めた。その時にこけしも挽いていたが描彩をしていたかは定かではない。従って、この秋田時代に福寿作のこけしがあったかどうかも不明。鳴子に戻ってからは当初は足踏みロクロ、26年からは動力ロクロの変えたと聞いた。足踏みロクロ時代のこけしも文献等で見たことがない。

Fukujyu_s26写真のこけしは胴底に「1951.5.3」の書き込みがあり、福寿さんが動力ロクロに変えた頃の作品と思われる。頭はやや角張り、胴は裾広がりで裾の部分が台状に変化している。また頭頂部には小さな髷が描かれているが、この時点で福寿さんは有名な「西田勘治」は見ていないので、この髷の描彩は興味深い。胴裾の形状といい、髷の描彩といい、これらは「高勘」の伝統として自然に受け継がれてきたものなのであろう。前髪が上に寄り横鬢も顔の中心から離れて描かれているために顔の面積が広くなっている。目は一筆目で、向かって右目の目尻が下がる癖が出ているが、おおらかで明るい表情をしている。胴模様の菊花はたっぷりとした筆使いで大きく伸びやかに描かれており、特に上部の横菊は雄大である。同趣の作風で頭頂が髷でない作が「こけし」で紹介されている。

Fukujyu_s26_hikaku 実はこのこけし、良く見ると第1夜で紹介した「勘治型古作」と似ている点が多いのである。特に頭部の描彩。頭頂部の髷の様式は殆ど同じで、後ろに跳ねた横鬢も本作の横鬢の上部に丸い元結を付ければ第1夜のこけしになる。眉目の描彩も第1夜の方は細い二側目であるが、離れて見ると殆ど変わらない。本作と「西田勘治」との出会いの時間差は1年弱。殆ど作風が変わらないのは当然かも知れない。

Fukujyu_s26_syomei  

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