« 第67夜:福寿の初期作(1) | トップページ | 第69夜:福寿の初期作(3) »

第68夜:福寿の初期作(2)

Fukujyu_s25_kao 昨夜に続き、福寿さんの別の初期作をお見せする。福寿さんのこけしで、どこまでを初期作とするかは難しい。結婚する前の「高橋福寿」の時代を初期作とする見方、昭和27年の「西田勘治」との出会い以前を初期作とする見方もあるだろう。また、所謂「普通型」「勘治型」などと型が定型化する以前を初期作とする見方もあるだろう。私は3番目の考え方で、おおよそ20年代の作は初期作の範疇に入れて良いと考えている。

Fukujyu_s25 本作を昨夜のこけしと比べると作風がかなり異なるのが分るだろう。顔の描彩にぎこちなさが見られ、胴模様も手馴れていない感じを受ける。普通に考えると、こちらの方が古いように思える。ただし足踏みロクロではない。とすると昭和26年以前とは考えられないことになる。一度福寿さんに、どちらが古いのか聞いてみたことがあるが、福寿さん本人にも良く分からないとのことであった。

このこけし、頭は丸みを帯びており、胴は中ほどでやや凹んでそのまま胴裾に繋がっている。昨夜のこけしとは異なり「普通型」の形態である。ややアンバランスな小さな前髪に、そこから結んだ後ろ髪と赤い水引が小さく纏まっていて可愛らしい。横鬢は丸く後ろに跳ねるような独特なFukujyu_s25_syomei_1 形をしており、顔の中心に近く描かれているため、昨夜の初期作とは反対に顔の面積が狭くなっている。また鬢飾りは描かれていない。目は一側目で、向かって右目が下がっており、実にあどけない表情をしている。胴模様の菊花もあっさりとしており手慣れた感じではない。胴上下の太い赤ロクロ線は二段構成となっており、間に白木地が覗いている。このようなロクロ模様は他に類例を見ない。顔の表情、胴の描彩とも控えめであり、いかにも初期の作と言えるようなこけしである。

|

« 第67夜:福寿の初期作(1) | トップページ | 第69夜:福寿の初期作(3) »

鳴子系」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/188678/15279459

この記事へのトラックバック一覧です: 第68夜:福寿の初期作(2):

« 第67夜:福寿の初期作(1) | トップページ | 第69夜:福寿の初期作(3) »