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第70夜:「美と系譜」のこけし(6)

Haruji_kota_s35_kao 「こけし・美と系譜」の(99)は「原作と写し2」として佐藤幸太型のこけしを掲載している。1本の真っ黒なこけしの追求に執念を燃やした鹿間時夫氏の努力により、佐藤今三郎の口から、そのこけしが今三郎の父幸太の作であると判明したのは昭和33年5月のことであった。同年6月には鹿間氏の依頼により佐藤慶治による写しが作られている。「系譜」掲載の佐藤春二の写しは35年作と41年作。今夜は35年作を取り上げる。

Haruji_kota_s35 「系譜」掲載の春二写し2本の内、古い方は昭和35年6月作。大きさは8寸で原作と殆ど隔たらないと記載されているが、頭の形は「原」が縦長であるのに対し、写しは横長で平頭きみである。本稿掲載のこけしは胴底に「35.8.x7」の書き込みがある。「系譜」手よりも2ヶ月ほど後の作品となるが頭の形は縦横同じくらいの長さになっている。また、向かって右の眉目が上がり気味に描かれているが、慶治の写しも同様であり、「原」がそのようになっているのかも知れない。幸太型の場合、胴模様はロクロ線だけなので、胴の白さもポイントと成るが、本稿作はかなり古色が付いている。但し、退色は殆ど無いため、春二の華麗な色彩感覚はしっかりと見て取れる。なお、幸太型には頭にガラが入っているのが多いが、本作にはガラは入っていない。「原」にはガラが入っているのかどうか定かではない。

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