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第87夜:佐藤円吉のこけし

Enkiti_ume_kao 第85夜では、私の梅木修一コレクションの原点のこけしとして友の会の入札で入手した岡崎長次郎のこけしを紹介した。今夜は別の原点のこけしとして、最近ヤフオクで入手した佐藤円吉のこけしを紹介したい。私に遠刈田系こけしの魅力を教えてくれたこけしとして大沼昇治さんの梅こけしがあることは以前に書いた通りである。以来、昇治さんの梅こけしは私の重点収集の1つに入っている。そうなると、その原点のこけしとして佐藤円吉のこけしも欲しくなる。ただ、今まではこけしの状態や価格の面で入手出来るものがなかったのである。

Enkiti_ume 佐藤円吉は明治22年の生まれ。明治34年より父茂吉について木地修業を始める。明治42年からは小室の職人となり、こけしも作った。その後、大正13年に一時転業したが昭和10年に復活し、12年からはこけしも本格的に作り始めた。くびれた胴に梅模様を描いた「梅こけし」は昭和14年に米浪氏が持参したこけし絵(大野栄治の梅こけし)を元に作り出したと言われている。円吉の梅こけしはかなりの数が作られており、胴模様も様々である。当初の作はこけし絵に忠実で梅の花数は胴上部に1輪と下部に2輪で、切れ長の目を描いているが、その後は花数の多い梅模様を描くようになり、目もこじんまりして湾曲が大きくなる。

さて、今回入手出来た梅こけしは当初は8寸くらいの大きさと思っていたが、送られて来たこけしは6寸であった。しかし保存状態は極美である。胴の梅の花数が多く、目も小振りなことから円吉後期(10年代後半)の梅こけしと思われる。頭部のおかっぱは後頭部にいくに従って短くなっている。大沼昇治さんの梅こけしに同様のおかっぱ頭があるが、その元になったのはこの型のこけしだったのであろう。梅の木の幹は墨に濃淡を付けて立体感を出している。小寸ながら流石に存在感のあるこけしである。

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