« 第77夜:6月の友の会 | トップページ | 第79夜:一金会これくしょん展 »

第78夜:H19年産地巡り

Mayumi_ooatama_kao 6/30(土)の朝、久し振りの産地巡りに出かけた。昨年は1度も行けなかったので1年半振りくらいである。JR東日本の「大人の休日倶楽部」の割安切符を持って、遠刈田、弥治郎から米沢と回り、カメイ記念展示館の「一金会これくしょん展」を見る1泊2日の旅であった。いつもの旅だともう一カ所くらい回るのであるが、今回は日曜日に早く帰宅したかったので4カ所に絞った。今夜はその報告である。

東京発7:16の東北新幹線「Maxやまびこ103号」で白石蔵王に着いたのは9:20頃。駅ターミナルから9:30発の路線バスに乗る。最近は地方の路線バスはめっきり減ってしまったが遠刈田温泉行きのバスは1時間に1本くらいある。しかし乗客はたった3人、途中で何人か乗り降りしたが、これでは採算は厳しいだろう。以前のように遠刈田温泉バスターミナルが終点だと思ったら、その先のロイヤルホテルが終点で乗り過ごしてしまった。幸いそのまま戻るとのことで遠刈田温泉で降りることが出来た。遠刈田温泉のバスターミナルは無くなっていた。

橋を渡り、新地の入口にある佐藤一夫さんのお店を覗くが戸が閉まっていて留守の様子。そのまま目的地の佐藤勝洋さんを訪ねる。会うのは5年ぶりで2度目であったが、最初は分からなかったようだ。今は自宅で犬との2人暮らし。工房の方でこけしの話をする。5月の友の会の例会入札で入手した昭和初期の正吉(第64夜参照)の写しをお願いした。この正吉作は胴の3段の重ね菊が大振りで見所の一つ。勝洋さんは重ね菊は苦手とのことであったが、どのように作ってくれるか楽しみである。佐藤哲朗さんが会長を務めるこけし工人会は十数人のメンバーがいるが平均年齢は70歳を超えていて、勝洋さんが一番若いとのこと。(佐藤英裕さんは退会したそうだ)。この工人会の勤めで特に小寸を中心にこけし館に出しているとのことであった。工房を兼ねたお店は通常は電気を消しているが鍵はかかっていないとのこと。留守に訪れた客が店に並べてあるこけしを買って代金をおいて置いていくこともあるそうだ。後継者については今のところ息子さんが継ぐ予定はないらしい。

Mayumi_ooatama 途中で名物「白石うーめん」の天ぷらうーめんを食べて、弥治郎の新山吉紀・真由美さんを訪ねる。7月15日発売の雑誌「ブルータス」で特集されるこけしの取材について話を聞く。「ブルータス」は若者向けの雑誌、今回の企画で若者が伝統こけしに関心を持ってくれたら喜ばしいことだ。お二人は20日から始まる美轆展の準備にとりかかっていた。こけし以外では季節柄「風鈴」の依頼があり、こけしの付いた風鈴が涼しげな音を奏でていた。また、真由美さんは大きな「ざる」に小さなこけしを沢山くくりつけて和風インテリアにもなるような壁掛けを作っていた。テーブルの上に出来たてのこけしが数本、頭が大きい。新山久治の巨頭こけしを思わせるようだ。7寸4分の大きさなのに尺級のボリューム感である。また表情が良い。素直な可愛いこけしである。真由美さんの傍らに小学5年生の末娘がいたが、その愛くるしい顔そのままである。持参した佐藤喜一のこけし2本を取り出す。暫く見ていた吉紀さんが、頭のベレー帽の一番外側の黒帯は紫帯の上に重ねて描かれていると言う。よーく見ると確かに黒帯の端から紫帯が覗いている。この2本は制作年代の異なるものであったが、黒の重ね塗りは両方で確認された。この2本の写しは無理を言って子持ちでお願いした。喜一の小寸には子持ちはあるが、大寸では見たことがない。初めての作品となると思うが楽しみである。数年前にお願いした栄治・喜一型小寸各種の書き付けが忘れないように貼り付けてあった。

一旦、白石蔵王に戻り、福島経由で米沢に向かう。米沢着16:24。定宿としている駅前のビジネスホテル「東横イン米沢」に荷を置いて長谷川正司さんに電話。正司さんの車で自宅(兼工房)へ。正司さんは膀胱結石で入院していて退院して間もないとのことであったがいたって元気。ただこけしは作れなかったので無かった。今年は白石のコンクールで準大臣賞を取ったので、そのこけしの注文が増え50本ほど作ったとのこと。コンクールの力、侮れずである。さて、前に送っておいた吉太郎のこけしについて話を聞く。この吉太郎は胸から肩にかけてが窄まった珍しい木地形態。同じ大きさの吉太郎(藤田正征氏蔵品)と比べると、同じ大きさながら胴がやや太い。そのままの胴の太さで首までいくとアンバランスな感じ、そのため首に近い部分を窄めたのではないかと。もう1点は首がゆるめで廻り、鳴子系のように音がする。頭を抜いてみると、胴から出ている首の先が太くなって頭に嵌め込む様式であることが分かった。秋の鳴子こけし祭りに向けて、写しを作ってくれるとのことでこちらも楽しみである。正司さんの息子も勤めており、今のところこけしを継ぐ予定はないらしいが、轆轤や道具は残して置いて欲しいと話しているそうなので、将来こけし作りを始める可能性はあるかも知れない。

|

« 第77夜:6月の友の会 | トップページ | 第79夜:一金会これくしょん展 »

弥治郎系」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/188678/15625806

この記事へのトラックバック一覧です: 第78夜:H19年産地巡り:

« 第77夜:6月の友の会 | トップページ | 第79夜:一金会これくしょん展 »