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第91夜:正司さんの吉太郎写し

Kititaro 暑かった今年の夏もようやく終わりかと思っていたら、ここ数日は厳しい残暑に見舞われてしまった。8月は思わぬアクシデントで諸々の予定が全く狂ってしまい、このブログ更新もままならぬ状態が続いていた。その後遺症は未だ残っているものの、以前頼んでいた吉太郎写しが米沢の長谷川正司さんから届いたので、今夜はその紹介をしたい。オークション等で入手したもののあり、それらも順次取り上げていきたいと思う。

Kititaro_utushi_masashi_2 「原」のこけしは、ヤフオクで入手したもの。大きさは8寸。表情は優しく、吉太郎晩年のこけしと思われる。第78夜で書いたように、このこけし見所の一つは胴の形態。胴上部1/3くらいが窄まっている。山形系のこけしには肩に段があり肩口が窄まっている形態のこ けしはあるが、それでもこれほど長く窄まっているものはなく、吉太郎のこけしとしては異色である。もう1点は、首が頭部への嵌め込みになっていることで、「原」こけしは嵌め込みが緩く、南部系のキナキナのようにクラクラと動く。

正司さんとは6月30日に訪問した折に、これらの点については確認しており、特に注意して作って頂いた。胴の形態にしろ、首の嵌め込みにしろ、通常正司さんが作っている吉太郎型とは異なるため、かなり手間がかかったとのこと。材質も普段使用する「さわくるみ」ではなく、「いたやかえで」を使用して貰った。流石に腕達者な正司さんらしく見事な木地形態に仕上がっている。

Kititaro_hamekomi_2 首は「原」通りの嵌め込みになっているがクラクラ動くのはちょっと違和感があるとのことで、しっかりと嵌め込まれているが、頭は回り、頭を引っ張ると首が見えるようになっている。表情は「原」と比べるとややきつめとなっている。今年古希を迎えた正司さんであるが、吉太郎こけしに対する熱意はいささかも衰えず、沈滞気味の山形系を引っ張っていって貰いたいものである。

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