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第92夜:初期作の味わい(7)

Tetunori_kobei_s38kao 津軽系といえば「盛秀型」と言われるほど盛秀太郎のこけしは有名であるが、津軽系のもう一方の雄といえば斉藤幸兵衛のこけしと言って異論ないであろう。盛秀太郎の2人の弟子、佐藤善二は幸兵衛型を中心に作り、奥瀬鉄則は盛秀型を主力にこけしを作ってきた。私は幸兵衛型に興味を持ち、各工人の幸兵衛型こけしを集めているが、先週のヤフオクでも入手した、奥瀬鉄則の初期幸兵衛型を今夜は取り上げてみたい。

Tetunori_kobei_s38 鉄則さんの作る幸兵衛型は大きく分けて3種類ある。一番始めに手がけたのは髷付きの頭髪と横鬢が離れて一側目(後に二側目となる)の幸兵衛型。次いで髷付きで黒頭(オカッパ)で二側目のもの。もう1種は髷なしで黒頭のこけし(盛秀太郎の幸兵衛型)。今回取り上げるのは、幸兵衛のこけしに最も近い二番目の幸兵衛型である。

掲出のこけしは昭和38年作の6寸。この型を本格的に始めたのはこの38年頃なので初期作とした。幸兵衛型ではあるが、幸兵衛こけしの特徴を取り入れたこけしであって、幸兵衛写しではない。眉毛は前髪に近接し、目、鼻。口も顔の上方に描かれている。表情は「まんが日本むかし話」に出てくるような愛嬌のあるこけしで、津軽系の持ち味である泥臭さもあり、後年の洗練された華麗なこけしとは一線を画している。昭和30年代という時代の雰囲気と初期作という初々しさが加味された良さが漂っている。

Tetunori_kobei_s38hikaku 3枚目の写真の真ん中は先週入手したもの。胴底の署名などから昭和39年頃の作と思われる。約1年ほど違いであるが、頭部、胴とも太めの木地形態となっている。一方、面描の筆致は細くなり、その分鋭さは増したが面白味という点ではやや薄くなる。同左端の写真は昭和47年作のもの。これ以降殆ど作風に変化は見られない。

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