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第95夜:芳蔵の初期善吉型

Yoshizo_s32_kao 昨夜取り上げた伝喜こけしと同日、30分遅れで同じ出品者から3本のこけしが纏めて出品されていた。岩本芳蔵2本と渡辺喜平1本である。製作年代は30年代初期で、これも保存状態が頗る良い。相当の高値を予想しながら入札をしたが競り合う相手が出てこず、ラッキーなことに伝喜こけしとほぼ同様な価格で3本のこけしを手に入れることが出来てしまった。

Yoshizo_s32 岩本芳蔵は善吉の2男で明治45年の生まれ。昭和元年の小学校卒業後から木地修業を始めた。こけしを作ったのは昭和8年22歳の頃からで、当初は自身の型(芳蔵型)を作っていた。善吉型は昭和31年頃から手掛けたとのことで「こけし・美と系譜」に1頁を割いて、芳蔵の善吉型が紹介されている。入札写真を見た時には気が付かなかったのだが、今回入手したこけしは「美と系譜」掲載品と同時期の作品で、善吉型としては初期のものであることが分った。

写真2に掲出のこけし(8寸4分)は胴底に「32.1.28」の鉛筆書きがある。「美と系譜」左端(32年作)と同型の善吉型であるが表情は優しくあどけない。胴下部の花弁を囲む波線は紫を使っている。

Yoshizo_s32_2hon また写真3右のこけし(6寸4分)は「美と系譜」右から2番目(31年作)と同型の善吉型。こちらは系譜手よりも表情鋭い。掲出2本のこけしを系譜のこけしと比べると、あたかも胴模様のみを入れ替えたような描彩となっており興味深い。

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