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第108夜:津軽の競作2(鉄則)

Tetunori_rokuro_s59kao 今夜は昨夜に続いて盛秀型の「古形ロクロ」を奥瀬鉄則さんのこけしで紹介する。鉄則さんのこけし作りは当初は幸兵衛型が中心で、それに盛秀の戦後の標準型(睫毛の達磨こけし)を作っていた。昭和40年代に入り、こけしブームの中で復元こけしの製作が次々と行われ、鉄則さんにもそのような話が舞い込むようになった。その結果、鉄則さんも昭和43年頃から、盛秀の戦前こけしの復元を行うようになった。しかし、この古形ロクロに関しては昭和40年代の作例を見かけない。

Tetunori_rokuro_s59 本掲載品(6寸)は胴底に「59.4.30」の鉛筆書きがある。昨夜の美津雄さんと比べると頭は小振りで、胴は上部が長く下部は太めで胴裾が広がり気味となっている。美津雄さんのはすっきりした形態であるが、鉄則さんのはずんぐりしており寒い冬にどてら(コート)を羽織った幼子を連想させる。頭の描彩では、おかっぱの頭髪が長く顎近くまで伸びている。頭頂部の丸い中剃りは色を塗っていない。(昨夜の美津雄さんのこけしは赤く塗ってある。) 頬紅は下瞼から頬にかけてうっすらと塗られている。胴のロクロ模様にも美津雄さんとは大きな違いが見られる。ロクロ線の色の配色は同じであるが、美津雄さんのロクロ線は赤、緑、紫は太線1本と上下に細線2本(黄色は太線1本のみ)が基本的な構成であるのに対して、鉄則さんは赤のみ美津雄さんと同じ構成で、緑、紫、黄色は太線のみである。そのため美津雄さんのこけしと比べると重厚な感じを受ける。

Tetunori_rokuro_hikaku 写真3は鉄則さんの8寸古形ロクロ。大きさの関係で6寸に比べるとすっきりとした形態になっている。右は古形ロクロとしては初期の昭和51年3月の入手作。また左はほぼ10年後の昭和61年10月入手作。木地形態や胴のロクロ模様には大きな変化は見られない。51年作は筆が細く、ちょっとおどけたような表情が楽しい。61年作は筆が太くなっておおらかな明るい表情になっている。

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