第112夜:津軽の競作2(陽子)
掲載のこけしは6寸で胴底には製作番号の「1871」が記されている。陽子さんがこけしに製作番号を入れているのは平成5年から13年までの2000本で、このこけしは平成13年の作と分かる。陽子さんは鉄則さんのこけしをお手本としているので、木地形態、描彩(面描、胴模様)とも殆ど同じであるが、陽子さんの木地は鉄則さんよりスマートで美津雄さんに近い。また頭は角張った横広気味である。面描は目がクリクリっとしていて実に愛らしい。笑い口の紅が小さく控えめなのに女性らしさを感じる。頬紅も小さく、あるかないか分からない程度に塗られている。同寸同型の美津雄さん、鉄則さん、陽子さんのこけしを並べてみると、木地形態や面描はむしろ美津雄さんに近い点も見られ、無意識の内に美津雄さんの影響も受けているのかも知れない。陽子さんのこけしには、同じ形態・胴模様で面描の下瞼が下に膨れたこけしもある。こちらはやんちゃな表情がたまらない。なかなか入手するチャンスがないのが残念である。
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