« 第112夜:津軽の競作2(陽子) | トップページ | 第114夜:鉄則こけしの変化 »

第113夜:津軽の競作2(恵介)

Kesuke_rokuro_h05kao さて今夜は、奥瀬恵介さんの盛秀型古形ロクロを紹介しよう。盛秀型こけしのバイブルである「盛秀一家のこけし辞典(二)」によると、恵介さんがこけしを作り始めたのは平成14年1月からで、その年の3.27日作のこけしが古形ロクロである。しかしながら、その後この型のこけしは殆ど作られなかったようだ。2年ほど前に恵介さんにこの古形ロクロを作って貰う機会があった。お願いしたのは上下の瞼が上に凸の所謂開き目であったが、出来上がったのは写真のようなものであった。

Kesuke_rokuro_h05 聞いたところによると、恵介さんは開き目があまり得意でないようで、色々考えた末に「盛秀一家のこけし辞典(三)」の15頁に載っている盛秀こけし(S40年代後半)を参考にして作ってくれた。この顔をした型は初めてということで、胴底には「初」という書き込みもある。開き目での競作を期待していた私にとっては意外なことになったが、これはこれでまた何とも味わいのあるこけしに仕上がっているではないか。恵介さんは、鉄則さんや陽子さんが作る華麗な盛秀型ではなく、素朴で泥臭い津軽こけしの源流を追求しているようだ。このこけしもその範疇に入るものであろう。胴の括れ部の形態などは恵介さんが一番、盛秀に近いようだ。また胴のロクロ線は配色の構成や線の太さなど参考にした「原」こけしと全く同一である。原こけしでは口に紅を塗っているが、本作は意識したものかどうかは分からないが紅は塗られていない。その分、精悍な表情となっている。下瞼から頬にかけて塗られた頬紅が効果的でもある。写真3に、4人の古形ロクロを並べてみた。それぞれの工人の個性が表れて楽しい競作となった。

Kesuke_rokuro_h05hikaku

|

« 第112夜:津軽の競作2(陽子) | トップページ | 第114夜:鉄則こけしの変化 »

津軽系」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/188678/17085939

この記事へのトラックバック一覧です: 第113夜:津軽の競作2(恵介):

« 第112夜:津軽の競作2(陽子) | トップページ | 第114夜:鉄則こけしの変化 »