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第109夜:こけし談話会(たこ坊主)

Yoshizo_danwa_kao 今日は、東京こけし友の会の「こけし談話会」と柿澤是隆さんの実演に行って来た。実演は後日報告することとし、今夜は談話会の報告をしよう。友の会の毎月の例会はどうしても頒布中心になってしまうのに対して、「こけし談話会」はこけしをより深く研究・鑑賞することを目的に開催されている。従来は事前申込み制で会場も例会とは別の場所であったが、前回から会場を例会と同じ「全国こども会ビル」とし、友の会の会員なら当日誰でも自由に参加できる方式となった。今回のテーマは『岩本善吉・芳蔵一家のこけし』ということで午後1時30分より開始。参加者は9人であった。

Zenkiti_danwa_3hon 今回は、所謂「たこ坊主」が対象であり、善吉、芳蔵にその弟子達のこけしが集まった。流石に善吉のこけしは3本と数は少なかったが、大小それぞれに風格のある作品で、これを手にとって自由に鑑賞できるのは嬉しい。芳蔵は本人型、善吉型、磯谷直行型、えじこなど30本以上が集まって壮観であった。その他、酒井正進、本多信夫・洋、瀬谷重治・幸治、柿崎文雄、荒川洋一、渡辺長一郎などのこけしが集まった。全部で60本程度はあったであろうか。

写真1は、岩本善吉の3本。

私が最も興味を惹かれたのは、芳蔵の戦前の本人型5本である。それぞれに芳蔵の個性が出ていて、それに戦前という時代背景が付いているせいであろうか、重厚な趣のある傑作揃いである。「こけし辞典」に掲載されている中屋旧蔵の逸品(右から2本目)も含まれていた。(写真2参照)

Yoshizo_danwa_honnin

次いで、昭和31年から始めたという善吉型。これはその31年作から30年代全般のものがほぼ満遍なく揃っており、その年代による変化なども見て取れた。このような比較には相当数のこけしがあることが必要であり、談話会はその格好な場と言えるだろう。(写真3参照)

Yoshizo_danwa_zenkiti1_2

(明夜に続く)

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