第109夜:こけし談話会(たこ坊主)
今回は、所謂「たこ坊主」が対象であり、善吉、芳蔵にその弟子達のこけしが集まった。流石に善吉のこけしは3本と数は少なかったが、大小それぞれに風格のある作品で、これを手にとって自由に鑑賞できるのは嬉しい。芳蔵は本人型、善吉型、磯谷直行型、えじこなど30本以上が集まって壮観であった。その他、酒井正進、本多信夫・洋、瀬谷重治・幸治、柿崎文雄、荒川洋一、渡辺長一郎などのこけしが集まった。全部で60本程度はあったであろうか。
写真1は、岩本善吉の3本。
私が最も興味を惹かれたのは、芳蔵の戦前の本人型5本である。それぞれに芳蔵の個性が出ていて、それに戦前という時代背景が付いているせいであろうか、重厚な趣のある傑作揃いである。「こけし辞典」に掲載されている中屋旧蔵の逸品(右から2本目)も含まれていた。(写真2参照)
次いで、昭和31年から始めたという善吉型。これはその31年作から30年代全般のものがほぼ満遍なく揃っており、その年代による変化なども見て取れた。このような比較には相当数のこけしがあることが必要であり、談話会はその格好な場と言えるだろう。(写真3参照)
(明夜に続く)
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