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第124夜:福寿大正型考(1)

Fukujyu_taisyo_s43kao ここのところ本ブログへのアクセス数が増加しており、今週になって遂に1日当たり80件を超えるようになった。アクセス数の増加は1つの励みでもあると同時に別の意味ではプレッシャーともなってくる。せっかく覗きにきてくれた皆様のご期待に答えるためには出来るだけ頻繁に新しい記事を掲載しなければならないし、その内容にも気を使わなければならないからである。さて今夜は、先に盛さんの大正型こけしを入手したことから、改めて福寿さんの大正型を見直してみたいと思う。

Fukujyu_taisyo_s43 「こけし辞典」によれば、福寿さんが大正型(「こけし辞典」では盛古型と呼んでいる)を初めて作ったのは昭和43年秋で、西田峯吉氏の大正期盛を復元したものであると書かれており、その写真も掲載されている。この時、福寿さんが西田氏所蔵の盛大正型を実際に見て作ったかどうかは定かではない。写真の大正型は胴底に「43.11.3」の書き込みがあり、「こけし辞典」掲載品と同時期の作と思われる。このこけしを見ると、西田氏の「原」こけしと比べて、胴上下及び肩の山の赤ロクロ線の本数が異なるのが分かる。「原」では胴上下の細い赤ロクロ線は2本ずつであるが、福寿作ではそれぞれ3本。また肩の山の細い赤ロクロ線も「原」は1本であるが、福寿作では3本引かれている。通常、写しを作る場合は、先ずは「原」こけしに忠実に作るものと思われるので、どうも「原」こけしの現物を手元に置いて作ったものではないような気がするのである。

Fukujyu_taisyo_s43_hikaku このこけしが現物を見ていないと考えられるもう一つの理由は、頭頂部に描かれた赤い水引の描法にある。写真で正面から見ると、頭頂部の水引はその全貌を見ることが出来ない。43.11作では、この水引は3筆で左右にほぼ水平に描かれている。写真2の左の作はその後に作られた大正型である。木地形態、胴模様に大きな違いは見られないが、面描では横鬢が大きくなり、眉・目の位置がやや上方に描かれている。そして1番の違いは水引が5筆になっていることである。西田氏の現物の水引がどのようになっているか確認していないが、私が入手した盛大正型はくねった3筆となっている。現物を見ていれば、この水引は同じ様式で描かれるはずであり、そうであれば3筆から5筆に変化することは考えられないのである。

Fukujyu_taisyo_s43_tegara 結局、福寿さんの初期大正型は、西田氏所蔵の大正期盛こけしを、どなたかの依頼で写真により復元したのではないかと思われるのである。なお、ここで「初期大正型」としたのは、昭和44年以降福寿さんの大正型は大きく変化していくからなのである。それについては、また次の機会に報告したいと思っている。

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