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第130夜:記念こけし(5)

Kihe_s21_kao H18年6月に「こけしつれずれ」としてスタートした本ブログは今年の5月頭から「こけし千夜一夜物語」と改称して遙かなる大海に帆を進めてきた。1個人という小舟で1001夜(回)分の記事を書こうという大それた計画であった。毎日更新という目標は当然のように崩れ、間が空くこともしばしば。アクセス数の増加という数字を励みに何とか続けてこれたのも訪問して下さる皆様のお陰と感謝している次第である。年明けを目前にアクセス総数は2万件を超え、毎日のアクセス数も83件に達している。こうなると来年の目標も何となく頭に浮かび、どうすれば達成できるかを思案することになる。いかにして皆様の興味を繋ぎ止めておけるかが課題となるであろう。さて前置きが長くなってしまったが、今夜は渡辺喜平さんのこけしを取り上げて見たい。

Kihe_s21_syomei どうしてこのこけしが記念こけしなのか、その理由は胴底に書かれている。「新憲法発布記念 鯖湖」との署名があるからである。工人自身の署名は無いが工人が書いたものであろう。このこけしから見て、その工人が渡辺喜平さんであることも間違いないであろう。新憲法とは勿論戦後の「日本国憲法」のことであり、その発布は昭和21年11月3日で当時の国鉄からは記念乗車券も発売されている。従って、このこけしは昭和21年の11月頃のものと考えて良いであろう。

Kihe_s21 喜平さんの戦前のこけしは昭和16年から17年にかけて、キンさんの木地を挽いた折に製作したものが知られている。これは『第81夜:小寸こけしの魅力(5)』に書いた。横広の平頭にぞう鼻が特徴的なこけしである。それと比べて本作はどうであろうか。まず頭の形は横広ではあるがやや丸みが付いてきている。胴は太く肩も張っていて重量感がある。面描では鼻はぞう鼻のままであるが目が中央に寄ってきて集中度が強くなった反面大らかさが薄れてきた感がある。全体的には戦前の「鯖湖こけし」の面影を残した良いこけしである。

写真(3)左は10年後の昭和31年のこけし。頭は丸くなり、胴は細くなったが撫で肩で弱々しい。面描の変化も著しい。最早戦前の風情は何処にも見られなくなってしまった。

Kihe_s21_hikaku

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