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第133夜:征一さんの本人型

Seichi_h8_kao 今夜は鈴木征一さんの本人型を取り上げてみよう。征一さんは平成18年には3大こけしコンクールの内2つ(全国こけしまつり、みちのくこけしまつり)で最高賞を取り、全日本こけしコンクールでも大臣賞を受賞しているが、それらは本人型と言われるものであった。征一さんは肘折系の運七・喜代治の復元も数多くこなし、そういう中から生まれた本人型なのであろう。ところで今回紹介する本人型のこけしは平成8年のもの。遠刈田のロクロまつりの実演で入手したものである。昨今の本人型とは異なる味わいのこけしであるが私のお気に入りの1本である。

Seichi_h8_2 平成8年10月に私は初めて遠刈田のロクロまつりに出かけた。宮城蔵王こけし館に向かう道路の両側にはテントが立ち並び、そこでは各系統の工人さんが自身のこけしや木地玩具を並べ実演を行っていた。その中に、このような催し物では常連となっている肘折系の鈴木征一さんも出店していた。その時私が欲しかったのは前年に賞をとった運七写しのこけしであったが、残念ながらそのこけしは出品されていなかった。その会場で私が見初めたのが今回のこけしである。奥山家のこけしは頭が縦長で胴も直線的にすらーっとしているのが多い中で、本こけしは頭は横広の平頭で胴は裾部がラッパのように広がってる。征一さんのアイデアによる本人型なのであろう。尺あまりのこけしは持ってみるととても軽い。頭部はくり抜いてガラが入っている。材質はイチョウだと言う。多少黄色みを帯びているために良い色合いをしている。目は大きめで愛らしく、胴には可憐なナデヒコが風にそよぐように咲いている。この胴模様はその後、ソニーの頒布こけしにも取り入れられて征一さんの代表的な模様の一つとなったが、裾の開いた形態は見かけない。あまり評判が良くなかったのかも知れない。しかし私にとっては征一さんのこけしとして無くてはならない1本となっているのである。

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