第153夜:2/13のヤフオク
昨日から今日にかけて大量のアクセスがあり、あっと言う間に1日当たりの平均アクセス数が100を超えてしまった。100アクセスは1つの目標ではあったがあまりのあっけなさに少々拍子抜けといった感がしないでもない。さて昨夜(2/13)、注目の古品2本の入札が終了した。佐藤文六と盛秀太郎の幸兵衛型で、いずれも都築佑介氏の旧蔵品とのことであり、盛秀は「こけし写譜」の掲載品でもあった。出品者はいずれも30万円は超えて欲しいとの希望のようであったが、文六は16万円台、盛秀は50万円台で落札されており、合わせると希望額を超えたのでヤレヤレと思っているのではないだろうか。どういう経緯で入手されたものかは分からないが、こけしブームの頃であれば相当な高値が付いたことであろう。
既に嫁入り先が決まったものにコメントするのは恐縮であるが、ネットで一般公開されたものであり、それだけ素晴らしいものであるということでもあり、お許し願いたい。先ず文六こけしの方であるが、出品者のコメントは「及位時代前期の作」とのこと。「木の花(第拾四号)」で類例を探すと、⑭、⑲が近いように思える。これらは先日出品された誠治名義文六こけしとほぼ同じ時期、従って昭和13年~14年頃の作と推定される。両者を見比べてみれば、その作風にかなりの隔たりがあることが分かり、文六さんは相当意識的に作り分けていたことが想像できるのである。好みは人によって分かれるが、落札額に倍の開きがあることが一つの人気のバロメータということになるのであろう。今回の作は典型的な文六こけしであり、文六に抱いていたイメージをそのままに感情移入もし易い。それと比べると誠治名義の方はやはり異形ということが言えるのであろうか。
もう1本のこけしは盛秀太郎さんの幸兵衛型。都築氏の「こけし写譜(第1集)」の(30)番の原品とのことである。「写譜」に載っている箕輪氏の解説では『写真大寸ぼたん模様の眼点はグリグリと描かれ、野趣に富んだ花模様と相まって秀太郎としても、おおらかな良き時代の作品であろう』と評されている。箕輪氏も指摘しているが、このこけしの特徴の1つは目の描法であろう。向かって左の目は眼点を白く抜いているのである。そのために「眼光鋭い」射るような鋭い表情になっている。秀太郎さんが意識的にそう描いたのか、眼点を描いている時にたまたまそうなったのかは定かではないが、他の秀太郎こけしには見られない特徴となっている。
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