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第147夜:高橋秀雄のこけし

Takahide_syaku5_kao ヤフオク(ヤフーオークション)を見ていたら、木地山系の高橋秀雄さんのこけしが出品されており、締切1日前の時点でその入札価格が昨今のこけしの相場から見るとかなり高価になっているので思わずじっくりと見てしまった。出品コメントでは「昭和62年(初期作)」となっていて、確かに未だあどけなさの残る表情である。それで思い出した。私のコレクションには1本の大寸の秀雄さんのこけしがあるので、今夜はそれを紹介しよう。

木地山系の高橋秀雄さんは、高橋雄司さんの長男で昭和37年の生まれ。高橋兵治郎さんから数えて木地3代目にあたる。高校卒業と同時に父雄司さんについて木地修業を始め、昭和59年頃からこけしも作り始めている。東京こけし友の会では昭和60年12月のおみやげこけしで頒布している。その作は若さ溢れる溌剌としたこけしであった。しかし、その頃には昭和40年代から始まったこけしブームにも翳りが見え始めていた。若者がこけしで生活をしていけるような状況は終わりを迎えていた。当時居た多くの若手工人は一人二人とこけし界から姿を消していき、今回取り上げた秀雄さんもその中に含まれていた。

Takahide_syaku5 さて、本稿掲載のこけしは、高齢のコレクターのこけし処分会で入手したもの。大きさは尺5寸。既に大寸物は収集の対象から外している私にとっては、本来なら決して入手しないものなのであるが、このこけしの表情に惹かれて持ち帰ってしまった。このこけしの製作時期は不明であるが、初期作のような幼児のあどけなさはなく、そこには成長した乙女の凛々しさが見て取れる。左右の目の間隔が離れているのも私の好みと合致する。兵治郎さんのこけしの特徴の1つにはそこはかとない色気があると言われている。この秀雄さんのこけしでは、まだ色気は感じられないが、その瞳からは一途な想いが感じられて、それが見るものを惹きつけるのであろうか。この乙女がどのように開花して色気を漂わせるようになるのか、今は木地業から離れている秀雄さんの復活に期待したい。

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