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第186夜:津軽こけしの源流を求めて(今晃3)

Kon_kinjiro_dake_kao 第179夜で今さんの禰宜町時代の金次郎型こけしに触れてその後の同型のこけしがどう変化したのか知りたいと思っていたところ、ちょうど良いタイミングで同型同寸で「嶽 今晃」と署名のある今さんのこけしがヤフオクに出品された。今さんが「嶽」に移ってこけしを作り始めたのは昭和58年の5月頃からで、7月頃のものには「嶽温泉 今晃」と署名され、8月からは「嶽 今晃」の署名になったという。従って本稿のこけしは昭和58年の後半以降ということになる。今さんの初期のこけしは入札でもかなり高くなることが多いが、今回はそれなりの価格で落札できラッキーであった。そのこけしが先日届いたので紹介してみたい。

Kon_kinjiro_dake_hikaku ヤフオクで出品作を見た時には、先ずそのコケティシュな表情に惹かれた。よく見ると鼻の位置が真ん中でなく向かってやや左よりに寄っているのである。今さんの他のこけしを見てみてもそうはなっていないので癖ではない。たまたまそうなったのであろう。そのため面白い出来のこけしとなっている。送られてきた来たこけしは保存状態完璧。緑と紫のロクロ線が鮮明で、赤い帯が黄胴に映えて眩しいほど。禰宜町時代のこけし(写真左)と並べてみた。形態的には胴が短く太くなってややずんぐりした形。金属団地時代の作が『二枚目』なら禰宜町時代は『二枚目半』、そして本稿のこけしは『三枚目』と言っても良いだろう。両目の位置は顔全体から見て適切な位置にあるので、鼻と口だけが左にズレていることになる。ベロ(舌)を出したような口も表情をより愛嬌のあるものにしている。『嶽』時代の今さんはこの金次郎型や辰雄型の他にも伊太郎型や島津型などにも挑戦して、まさに津軽こけしの源流に迫るような一種怪異的なこけしも作り出している。やがてそれらが一段落した頃から、今さんのこけしは津軽こけしの源流からやや離れて「今晃の世界」に移っていったように思われる。

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