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引き続き「図譜『こけし這子』の世界」の盛秀こけしを見ていこう。今夜は162番である。「原」こけしは大きさ6寸3分、胴の中程がくびれた形態はこれまでの3本と変わらないが、均整の取れたスマートな形になっている。胴模様は肩から胸にかけてアイヌ模様(縄文模様)を描き、それから下方には赤紫緑のロクロ線を引き、胴中央からやや下には唐草模様を配している。大きさの割には簡素な胴模様と言えるだろう。この型の恵介こけしを紹介しよう。
「盛秀一家のこけし辞典(Ⅲ)」の平成14年、15年の恵介こけしには、これと同型のこけしの掲載はない。この型はあまり作らなかったのだろうか。さて本稿のこけしは大きさ7寸。No385<H16.6.28>作である。木地形態は「原」にほぼ忠実(胴裾の広がりがやや大きいかも知れない)。ロクロ線主体の胴模様も上手く纏めている。従って、このこけしの見所は顔の表情ということになろう。大きな鼻とやはり大きな赤い口はこの時期(H16年)の恵介こけしの特徴で表情に凄みを与えている。そして鯨目状の大きな瞳は、縦長の眼点が中央に寄っていて凝視度が強く、迫力溢れるこけしになっている。
2008年5月10日 (土) 津軽系 | 固定リンク Tweet
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