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第212夜:最近のヤフオク

Morimasa_naoji すっかりこのブログから遠ざかってしまった。1か月以上も掲載しなかったのは開設以来初めて出会った。最初は何となく話題が作れなくて日が経ってしまい、そうなるとなかなか書こうという気持ちも薄らいでいく。8月は友の会の例会もなく、余計に怠けてしまった。最近はヤフオク(ネットオークション)にも心を時めかすような出品が少なくなった。その原因として落札価格の低下が挙げられるだろう。これはここ1,2年で顕著になってきた。出品が増えたためである。暫く前なら高値になった津軽系の有名工人の状態の良いこけしでもそこそこの価格である。昭和40年代以降に集めた収集家が高齢になって処分をする方法の1つとしてヤフオクを使うようになった。一方で、購入側の人数はあまり増加していないから、供給過剰となり、一部のこけしを除いて落札価の下落を招いているのであろう。逆に見ると、今は安価で良いこけしを入手できる好機でもある。先週、久しぶりにヤフオクで入手したこけしを紹介しよう。

Morimasa_yokugo 出品は遠刈田系のこけし3本であった。出品価は1000円、結局入札者は私を含めて3人で落札価は1600円であった。六郷満9寸、斎藤良輔8寸、佐藤守正7寸である。保存は3本ともほぼ完璧といえる状態であった。私がこの出品に興味を持ったのは、守正の表情の良い小原直治型が含まれていたからである。守正さんは昭和40年代の中頃より直治型の良いこけしを作っていたが、静助型や本人型が製作の中心で、直治型はあまり見かけない。手元に届いた直治型は期待通りの凛々しいこけしであった。もう1本、六郷満の松之進型は思いの他良いこけしであった。六郷さんは昭和51年頃から本格的に松之進型に力を入れ、以降素晴らしい復原作を作っているのだか、本こけしはその初期の作。「木の花(第拾弐号)」の同人座談会『最近のこけしを語る』に掲載されている六郷作3本の内の一番大きいこけしと近い。張りつめた表情が素晴らしく、六郷さんの意欲を感じさせるこけしである。このようなこけしを見ると、やはりこけしは良いなあと思ってしまうのである。このブログが続けられるかどうかはやはり良いこけしに巡り合えるかどうかにかかっていると思う。

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