第222夜:友の会10月例会
征一さんのこけし(中央)は、庫治さんの木地に描彩したという珍しいもの。いわゆる習作で当時の庫治さんの作風をそのまま引き継いだものであるが、未だ描き慣れていないところが却って稚拙味があり、肘折の風土性を感じさせるこけしとなっている。その後、描彩は上達し、各種の写しをこなすにつれて征一さん自身のこけしの良さは逆に薄れてしまったような気がする。この辺りが復元の難しいところなのかも知れない。
入札は10本。戦後の作ではあるがなかなか出来の良いものがあった。惜しむらくは保存状態がかなり悪い。写真③にその内の5本を示す。大きい方から、尺で保存状態の良い大沼誓と河村清太郎、昭和20年代後半で表情の良い佐藤正一、これも保存状態の良い井上四朗、小寸地蔵型の佐久間由吉、である。井上四朗が一番人気であったが、総じて落札価格は安価であった。
新品頒布は時節柄コンクール入賞作品を含めて5 工人のこけしがあった。梅木直美さん、西山敏彦さ
ん、野地忠男さん、渡辺幸典さん、鈴木征一さんである。中でも、西山さん(写真④)は弁之助型、勝治型、憲一型、それに本人型と西山家の多様なこけしを作っている。今は初期作ということで色々なものに挑戦しており、それぞれに面白さが出ているが、これら全てを完成させるのは容易ではないはずで、いずれ自身に合ったものに収束していくと思われる。
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