第220夜:打ち出の小槌
実はこれとほぼ同様の作品が「山形のこけし」の28頁に載っている。この「打ち出の小槌」の本体は親子達磨の頭部、中をくり抜いた胴部、笛にもなっている取手の3パーツから成っていて、それぞれが外れるようになっている。だるまの頭がはめこみ式で、胴部に取り付けるとくるくると回る。親達磨の頭に乗った子達磨の表情も秀逸である。取手は下半分に達磨を上半分は細かいロクロ線を引いている。この部分、「山形のこけし」では花模様が描かれている。
さて、見世物は樽状の胴部に中に入っている。まず小えじこが1個。このえじこも子持ちになっていて、中には紅白の達磨が5個、独楽2個、顔を描いた円板が2枚入っている。その他には1寸6分のこけし3本、1寸1分のこけし3本、7分のこけし2本。さらに1寸のガラス瓶があり、その中には虫めがねで見なければ分からないような、こけし、だるま、こまがたくさん入っている。もう1つ、1寸3分の細長い茶色のガラス瓶があるが、こちらは中身が無くなっている。「よくぞここまで!」と、ただただその精巧さに目を見張るばかりである。
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