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第217夜:友の会の旅行会(1)

Amae_kyushiro_kao_2 11日から12日にかけて東京こけし友の会の創立55周年記念旅行会があり、参加したので今夜はその報告をしたい。11日(土)午前10時15分に仙台駅集合で旅行会は始った。先ず、カメイ記念展示館を訪ねる。絵画の入れ替えのために休館中であったが、友の会は先に予約をしていたため見学することが出来た。展示は「一金会コレクション展」で戦後の保存の良い佳品が並んでいた。戦後でも目が行くのはやはり30年代のこけし。40年代以降は復元の影響で工人の個性が抑えられてしまい魅力が乏しくなる。昼食後、今回のハイライトである「天江コレクション」見学に向かった。

Amae_kokeshi_dou_2 日本最古のこけしコレクションである「天江コレクション(仙臺こけし洞)」は天江富弥氏が大正10年から昭和初期にかけて収集したこけしのコレクション(総数180点余り)で、今は仙台市内の高橋五郎氏の邸内に保管されている。一面がこけし棚になっている応接間に通された。この棚の1/3と、箪笥の引出しの中に天江コレクションのこけし達は保管されている。残りの2/3の棚は五郎氏のコレクション(「高橋コレクション)」で天江コレクション以降の昭和初期から20年代のこけしが約320点、昭和30年代以降のこけし約2,200点が含まれている。その他に、こけしのルーツとの関連から郷土人形(堤人形、花巻Ama_gorosan_3人形、相良人形)も豊富に収集されている。写真(2)は「仙臺 こけし洞」の表札の掛かる五郎氏のお宅。写真(3)はこけしのルーツのお話をされる五郎氏。棚にさりげなく立っているこけしが高橋胞吉であり、引出しの中で寝ている木地山こけしが小椋久四郎であったりする。周りにあるのは超1級のこけし達。まさに宝の山に入った感じである。しかも、これらのこけし達を棚から取って、手に持って眺め、その上写真まで撮らせてくれるのである。五郎氏のご好意にはただただ頭が下がる。予定していた2時間半の見学時間はあっという間に過ぎてしまった。実際に見た天江コレクションのこけしは半分にも満たないかも知Amae_morihide_3hon_3 れない。とても1回で見きれるような数ではないのである。写真(4)は「こけし這子の話」や「図説『こけし這子』の世界」にも掲載された大正期の盛秀こけし。その表情からは津軽の力強い生命力やエネルギーが迸しっている。このこけし達と戦後の盛秀こけしを同列で語れないことは一目瞭然である。天江コレクションはまさに「こけしの聖地」なのである。こけしに関心のある方はぜひ天江コレクションを見ることをお勧めする。

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