第214夜:昭二さんの岩蔵型えじこ
えじこはこけしに比べると、形や描彩に対する制約が煩くなく、結構自由に作れるものである。そんなところから第141夜で紹介した子持ちえじこも作られたのであろう。本掲載のえじこ(写真2の左)は岩蔵型であることは直ぐに分かる。また肩の部分のザラ挽き(ウテラカシ)や胴模様に紫色を使っているところから後期岩蔵型と推測される。扁平な頭頂部の形態などは第131夜のこけしと同様であるが、面描は筆が太く柔らかくなっている。製作時期は第131夜のこけしよりも後で昭和30年代の後半頃と思われる。えじこにしてはやや縦長で裾が狭まった姿が美しい。緻密に描かれた2輪の菱菊が華麗である。手頃な大きさで保存状態も良く、愛らしい一品となっている。右の4寸こけしは胴底に「37.8.8」の書き込みがあり、昭和37年の作であろう。胴の描彩から前期岩蔵型と思われるが、頭頂部は左のえじこより丸くなっており、顔の描彩も下がっている。向って右の目尻が下がり眼点も小さいためにおとなしい表情になっている。
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