第233夜:「鑑賞」のこけし(佐藤丑蔵小寸)
手元の記録によれば、本稿のこけしは今から2年半ほど前に、東京こけし友の会の入札で入手したことになっている。胴底には「丑蔵七五」の署名があり、前所有者の「S38」という記入があることから、「鑑賞」のこけしと同手と判断した。ちなみに鑑賞には『右5寸(15.1cm)は昭和38年作、多色ろくろ模様で、眼点なく目鼻は中央に申訳のように描かれているのが、可憐きわまりなく、愛すべき小品である。友の会例会頒布でもこの小品は人気の的となった。』とある。この小寸こけしについては、鹿間氏のこの説明で、もう言い尽くされていると言って良いであろう。それにしても、このようなこけしが例会で普通に頒布されていた昭和30年代の何と素晴らしいことか。それから40年以上も経過して、再び友の会の例会に現れた丑蔵こけしは、何を思ったであろうか? 今の我々は入札などでかろうじて、これらの作品に触れられるのみである。
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