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第240夜:弘道の太子型(2)

Hiromichi_jizo_s38_kao 新年2日の楽しみは何と言っても「箱根駅伝」である。今やこれを見ずして新年は始まらないといった具合である。そして今年も期待を裏切らないドラマが展開された。早稲田の若い力の躍進、山梨モグスの2年連続の区間新、日大ダニエルの驚異の20人抜き、そして最後には1年生柏原の大逆転による東洋大の往路優勝である。毎年毎年これだけの興奮を呼び起こしてくれるイベントはない。その余韻を引きずりながら今度はじっくりとこけしを手にとって眺める。正月3が日はこうして至福の時を過ごすのが恒例となった。さて昨夜に続いて弘道さんの太子型こけしを見て行こう。

Hiromichi_jizo_s38 「木の花」の矢田氏の解説に依れば、弘道こけし⑤は昭和38年3月。本稿のこけし(8寸)は胴底に「38.3.26」の記入があり、ほぼ同時期の作と思われる。まずはその形態に驚かされる。頭はやや横に広くなったが、胴裾のくびれが極僅かとなり、胴は太い直胴に近くなってしまった。そのため相対的に頭は小さくなった印象を受ける。この形態の変化は一体どうしたものなのだろうか? 範とすべき太治郎や正一のこけしにこのような形態のものは見当たらない。胴のロクロ線も3本ひと組の黒線は一番上の3本のみが一段と太くなって肩の襟のような印象を受ける。この時期の弘道こけしを「木の花」では次のように評している。曰く『頭が長く角張り、眉も目も筆致が細くなる。目は山が少なく細長く、眼点も横に長い。ビンも小さく短くなって、表情の硬化が見られる。口尻のはねが大きくにやけたような、おしころしたような表情からは寂しけな笑みがこぼれる。』と。確かに筆に勢いが無く、太く雄大な胴とは対照的に目もこじんまりと纏まって力が無い。弘道さんの太治郎型こけしとしては最も低調な時期と言えるのかも知れない。

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