第251夜:福寿の初期作(4)
実は、福寿さんの同様のこけしは既に持っているのだが(第68夜参照)、入札に出品されたこけしが保存状態極美だったので入札に参加して落札することが出来た。同型と思っていたが、帰宅して比べて見ると若干の違いが見つかった。この辺りが手作り品の特徴と言えるのだろう。第68夜にも書いたが、この型の福寿こけしの製作年代はなかなか決め手がない。全体の雰囲気や署名などから昭和20年代の中頃と思っているのだが。写真(2)は右が今回のこけしで左が68夜のこけし。胴の形と描彩は殆ど変わらないが、頭の形は今回(右)の方がやや横広になっている。描彩面での大きな違いは、横鬢上部の赤い鬢飾りの有無と頭頂部の赤い水引の筆数である。写真(3)で分かるように、鬢飾りは左は付いていないが右では2筆で描かれている。また水引の筆数は左が4筆なのに対して右は
6筆となっている。一般に描彩は初期のものほど簡素で次第に華麗になっていくことを考えると、この2本では左の方が古いと考えるのが妥当であろう。古いと言ってもその差は1年もないと思われるのだが。また、通常の一側目は上瞼を描いて、その下に半円状に眼点を入れるのだが、このこけしでは上瞼の下に横に1筆加えているだけであり、そのために遠くから見ると一筆目のように見えるのである。
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