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第254夜:ヤフオクの古品(西山徳二)

Yahoauc_kohin_tokuji_kao それでは、先日ヤフオク(ヤフー・オークション)で入手した古品を個別に紹介しよう。先ずは年代が明確なものから取り上げる。今夜は土湯系の西山徳二である。胴底に本人の署名かどうかは分からないが、「Ⅱ三才」の記入がある。大きさは尺4分、大寸であるが胴模様はロクロ線のみ。胴中央部やや上に稲妻状の折れ線を赤で描くのが強いアクセントになっている。残念ながら黒と赤以外のロクロ線は退色していて良く分からない。また前髪から頭頂部にかけてはかなりの虫食い跡が残っている。

Yahoauc_kohin_tokuji_syomei 西山徳二は大正5年の生まれ、小学校卒業後に阿部新次郎について木地修業を行う。こけしは昭和7年頃のものから知られているが、昭和13年橘文策氏により紹介されたもの以降が中心で、その頃の作は新次郎風に頭が縦に長い形態であった。14年頃より胴が太くなり、頭も横広に変わってくる。

さて、本稿のこけしは23才作ということで、昭和14年ということが分か Yahoauc_kohin_tokuji る。胴は長く、裾にかけて太くなっているが首から胸にかけては細くなって いる。頭は横に広く、長い胴との違和感は感じられない。表情はあどけない幼子のように無心にこちらを見つめてくる。徳二は昭和15年には入隊しており、16年8月に戦死しているため、こけしの製作期間は短く、従って残るこけしは全て戦前作で、そう多くはないと思われる。

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