第260夜:ヤフオクの古品(秋山清一)
蔵王系の秋山清一は、秋山慶一郎の長男で大正4年の生まれ。鳴子の岡崎斎について木地を習得したとある。こけしは戦後の一時期、鶴岡で製作したものが少数残っているらしい。「こけし辞典」や「こけしの世界」に掲載されているものは少寸(4寸と5寸)で胴模様は独特な楓を描き、昭和22年頃の作。また「愛こけし」には肩に段のある7寸5分(S24)で重ね菊模様が載っている。
さて、本稿作は大きさ6寸2分。蔵王型の形態で、胴裾に鉋溝が1本入っている。清一のこけしの特徴は目尻が下がっていることであるが本こけしはそれ程極端ではない。清一作としては早い時期のものであろうか。また、眉目とも細い筆で描き、眼点は完全に塗りつぶしていないため白抜きのようにも見える。これは意識的にそのように描いたのか、たまたま筆の毛先の関係でそうなったのかは分からない。そのため通常言われている甘く優しい表情とはやや趣が異なる。また胴の重ね菊模様は線が細くおとなしい。清一のこけしは数が少なく特に重ね菊模様は珍しいので、この退色が何とも惜しまれることである。
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