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第255夜:ヤフオクの古品(佐藤広喜)

Yahoauc_kohin_hiroki_kao_2 さて、今夜紹介するのは遠刈田系の佐藤広喜のこけしである。最初にこのこけしを見た時には誰のこけしか分からなかった。胴底に署名(本人の自筆かどうか分からないが)があり、広喜作と分かった次第。また前所有者の購入日も記入されていたので、年代もわかった。このこけしも頭頂部に若干の虫食い跡があり、胴模様も緑が飛んでしまっていて保存状態は悪い。

Yahoauc_kohin_hiroki_syomei 佐藤広喜は明治22年の生まれ、明治34年に佐藤松之進に弟子入りし木地修行を始める。40年に年期明けして師匠から独立した。広喜のこけしは大正初期のものが残っており、製作期間も長く、残るこけしも多い。「こけし辞典」によれば、昭和14年頃には作風が安定し、1つの完成域に到達したとある。その後、昭和15年に北岡工場に移ってからは漸次甘さが加わり、それとともに作行きも低下してきたようだ。

Yahoauc_kohin_hiroki_2 本作は、胴底に「昭和18年12月15日購入」の記入がある。太平洋戦争 も一段と厳しくなってきた頃であり、よく購入できたものだと思う。広喜は19年7月に亡くなっているので、最晩年の作と言っても良いであろう。「木の花(第弐拾六号)」の連載覚書(25)『広喜こけし』には、昭和17、8年作として尺のこけしが載っている。それと比べても本作は目が極端に大きくなっているのが分かる。また胴模様の桜崩しも筆が細く弱々しい。大寸なのに胴の裏模様も描かれていない。作行きの衰えは隠せないが、それでも広喜の特徴であるユーモラスな表情は感じられ、広喜こけしの残照を残していると言えるだろう。

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