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第258夜:ヤフオクの古品(佐久間常雄?)

Yahoauc_kohin_tuneo_kao 昨夜は土湯の佐久間米吉を取り上げたが、今回の古品の中にもう1本同趣のこけが入っていたので、今夜はそのこけしを紹介しよう。このこけしには製作者の手がかりとなるような記載は一切ない。胴模様の退色は米吉よりも更に激しく赤と黒以外の色彩は殆ど消失してしまっている。胴模様の様式から米吉に近い工人の作と推測される。とすれば米吉からこけしの手ほどきを受けた佐久間常雄が有力な候補として浮かんでくる。

Yahoauc_kohin_tuneo_2 佐久間常雄は明治39年の生まれ。米吉は継父にあたる。常雄は12歳の時に由吉から木地を習ったとあるが、こけしは作っていない。常雄のこけしは昭和16年に米吉が見本として作ったこけしを参考にして作り始めたという。この初期の常雄こけしは昭和16年1月から昭和17年10月までで約1000本が作られたようだ。この時期のこけしは16年作が「こけしの世界」にまた17年作は「こけし辞典」や「愛こけし」に掲載されている。それらは当時の米吉の作風を継いだ古風な趣のあるこけしである。

さて本稿のこけしであるが、大きさは4寸9分。頭が横広気味で、頭頂には黒太線で二重に蛇の目が描かれている。文献に載っている戦前の常雄こけしとは頭の形と面描も異なる。常雄のこけしだとしても初期作とは考え難い。常雄は昭和20年から22年までは新型こけしの木地のみとのことなので、それ以降のこけしでなのであろうか? 小振りの前髪と小さなつぶし目が愛らしさを醸し出している。

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